【コラム】9月4日IFAで発表予定のXperiaを3つの視点で斬ってみた

ガジェット好きな方々は既にチェック済みかと思いますが、2014年09月05日 ~ 2014年09月10日にドイツ ベルリンでIFA 2014(国際コンシューマ・エレクトロニクスショー)が開催されます。これに先立ち、メーカー各社が前日にプレスカンファレンスを行い新製品を発表します。

ソニーもこのプレスカンファレンスでXperiaを含む複数の新製品を発表します。昨年はXperia Z1Cyber-shot QX100 / QX10というレンズスタイルカメラを発表しました。(他にもBluetoothヘッドホン、スピーカー、VAIOなども)

今回はご存知の通りXperiaフラッグシップモデルを含む3機種を発表するようです。これらモデル発表に際し、思うことがあるので以下にまとめてみました。

発表予定のXperia

これまでのリークやSony Xperia公式YouTubeで公開された映像の41秒位に一瞬表示される新Xperiaのシルエット(下記画像)を見る限り、3モデルを発表するようです。

映像の至るところに「3」をイメージさせるモチーフや仕草は否応なくZ3を匂わせてくれます。そしてサブリミナル的に一瞬表示される3つの端末シルエットがこちら。

左はXperia Z3。グローバルモデルとして登場し、日本ではドコモKDDI、そしてXperiaとして初めてソフトバンクから発売予定と言われています。

右はXperia Z3 Compact。こちらもグローバルモデルとして発売し、日本ではドコモが取り扱う予定です。

そして中央がXperia Z3 Tablet Compact。こちらは日本での発売予定の情報は今のところ見つけられていません。タブレットといっても10.1インチより小さいモデルであるのは画像から読み取れると思います。

これらモデルの正式発表が待ち遠しいところですが、個人的に思うことを3つの視点でまとめます。

視点① : 新モデルの発表はいつまでこのペースでいくのか

Sony Ericssonからソニーモバイルコミュニケーションズ体制に移行(*1)してそろそろ2年が経過します。新体制で開発に着手したXperia Z1は昨年9月のIFAで発表されました。この時にEngadget日本版のインタビューで同社の商品統括シニアバイスプレジデントの田嶋氏がこんな発言をしています。

*1 本社を日本に移管した2012年10月1日を起算日として

「アップルやサムスンの年1回のアプローチでなく、高回転で製品をお客に届けたい、という気持ちでいます。」

 この発言のとおり、2013年9月のIFAのたった4ヶ月後の2014年1月のラスベガスで開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)においてXperia Z2が発表されました。そしてその8ヶ月後の今年9月のIFAにおいてXperia Z3シリーズが発表される見込みです。

そうすると、おのずと4ヶ月後の2015年1月のCESではXperia Z4が発表されるはず。。既にXperia Z4と目される情報も出てきつつあります。2015年Xperiaは「金属合金シャーシ」を採用し、Xperia Zから続くガラスの1枚板のようなデザインが一新される可能性もあるようです。(via SonyMobile、2015年からXPERIAに「金属合金シャーシ」を採用へ─Digitimes報道 | リンゲルブルーメン)

なぜ(言い方は悪いですが)生き急ぐように製品を発表するのでしょうか。

確かに初期のXperiaは他社に比べてハードウェア的にもソフトウェア的にも「周回遅れ」と揶揄されてきました。それを挽回したい思いも分かります。「買い替えたい」と思うユーザに対して常に【最新の】Xperiaを提供したい、それも分かります。また時代のトレンドをいち早く取り入れてユーザに提供したい、これもウェルカムな動きです。

しかし、これを実現するためにはどこかにしわ寄せが来ると思うのです。短期間に新製品を投入し続けるデメリットを以下にまとめてみました。

  1. 開発期間の短さがクオリティ的に仇となる
    ソニーモバイルコミュニケーションズは世界各国に開発拠点がありますし、各地域ごとの市場動向を踏まえて同時並行で開発を進められるのは素晴らしいです。しかも、これだけ短期間に新製品を投入していながら、常に進化している点はソニーの技術力の高さだと思います。しかし、開発期間の短さは時に製品のクオリティが保てずブランドに傷をつけることも。十分なテストを経て日の目を見るはずの製品のはずが、テストもそこそこに矢継ぎ早に新製品開発を続けることで品質面で不安が残ります。
    嘘かホントか分かりませんが、ドコモXperia Z2はこんな情報があったり、ユーザ申告の不具合がまとめられていたりと、あまりよい評判を聞く前に早々に在庫切れとなっているようですし・・・。

     

  2. 製品の目新しさが感じられない
    2012年から続く1枚板のようなデザインはそろそろ食傷気味でもあり、新モデルといっても目新しさがなくなかなか食指が伸びないところでもあります。
    スペック的な観点でもSoC(プロセッサ)は以前に比べて大きな進化はありません。もちろん、新モデルは常に進化した技術の結晶が搭載されていることは(ギークは)知っています。でも一般的に、ユーザ目線ではそれを「他社より秀でているからXperiaにしよう!」と捉える人がどのくらいいるでしょうか。 
  3. いつ買ってよいか迷う
    「機種変更しよう!」と店舗に行っても悲しいかな【在庫切れ】表示。入荷未定。。。そして別の機種に機種変更してしまう、もしくは「もう少し待とう!」と思っているうちに、気づいたらひっそりと展示機もろともバックヤードへ引き下げられ、しかたなく別の機種に機種変更。店舗からしたら『hot客』を逃さず契約させれば別にXperiaでなくても販促費の出る機種なら(きっと)どれでも構いませんし。
    そして少し経つと新モデルの発表、意気揚々と店舗に向かうと、モックアップが並んでるけどやっぱり【在庫切れ】の表示。今のXperiaは人気があるが故に、極端に言えばこんなサイクルでしょうか。欲しい時が買い時!と言われても商品がなければ興味あっても買ってもらえないわけで。
  4. 小ロットでコスト高に
    同じ生産台数を1年間作り続ける時のコストと半年で作るときのコスト、部品調達や生産ラインの組み換え等々で発生するコストは結局商品価格に跳ね返ってきます。
    Xperiaがソニーの屋台骨となっている台所事情を考えると、少しでも売上・利益を向上すべく取り組んでいるのも分かります。
    フラッグシップだから高くて当然、ではなくフラッグシップでも他社よりちょっとだけ安価、しかもちょっと長く使ってても古臭く感じない、というほうがユーザ受けする気がするのは私だけでしょうか。。。

一から新しいデザイン、新しい機構を半年で仕上げることは(たぶん)不可能に近いためか、どうしても「マイナーチェンジ」の印象が拭えないのが昨今のXperiaだと思います。(Xperia Z1 f→Xperia A2が最たる例)

これにはキャリアの存在が大きく関わってきているのはご承知の通り。実際はもう少しペースを落としじっくり開発に取り組んでも、きっとユーザは逃げていかないはずです。

ユーザはデザインを気に入って購入してる人も多いと思います。少しでも長く使えるよう最新OSを提供し続けるほうが、はるかにユーザに支持され、シェア向上につながるのではないでしょうか。もちろん、ソニーの製品アップデートをキャリアがすべて提供することが前提となりますが。

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・・・メーカーとて自社の意向だけで製品開発しリリースするわけではなく、その多くはキャリアの意向が一番のはずです。メーカーと共同開発するモデルも。(SOL22、SOL25などがたぶんそれ)

SIMフリーモデルの販売台数に比べ、キャリアモデルはキャリアが相当の台数を一括購入してくれる大お得意様ですから。

これまでキャリアは半年ごとに新製品発表会で新モデルを発表してきました。これに合わせて各メーカーは世の中のトレンド踏まえつつ、キャリアの意向、仕向地を考慮した機能追加を提案していけば、数万台の受注が確実となるわけです。

この「護送船団方式」に乗っかってきた製造メーカーは受注見込み台数(金額)を開発費に充ててきたはず。

しかし、そういう状態で販売されたスマートフォンの一部は市場では「動作がカクカク」、「電池持ちが悪い」、「発熱」というようなクレームの嵐で商品自体がまったく売れず→キャリアも多くの在庫を抱えるようになり→次期モデルは発注台数を絞る→製造メーカーの売上減→開発費削減→キャリアの意向(要求仕様)に応えきれず→開発中止に至ったと想像しています。

しかし、Samsungの開発姿勢はこれまでの商慣習には則っていないように思えます。韓国企業ですから日本は「グローバル展開する中の一カ国」です。Samsungは彼らのやり方で日本市場に切り込んでくる、防水は必須でもない、おサイフケータイも「島国仕様」でしょ、ウチはグローバル企業だからと搭載しない。しかし売上伸びず日本市場向けのモデルを作らざるをえない。。。Samsungにとって日本市場はどう映っているのでしょう。とても特殊な「ガラパゴス市場」なんだと思います。

キャリアの意向にひれ伏す従来の商慣習、どこかでぶっ壊して欲しいものです。

これから訪れるモバイル業界に大きな変化もたらす出来事 - 総務省主導によるSIMロックフリー義務化、クーリングオフ、2020年の東京オリンピックに向けた技適条件の緩和、これらを利用してでもどこかで・・・これが切なる思いです。

話は大きくずれましたが、個人的にも一枚ガラス形状のXpriaには少々飽きてきつつありますので2015年モデル、非常に気になるところです。

視点② : ファブレットはどこへ行くのか

Xperia Z Ultra。

これは今まで所有したXperiaの中で一番長期にわたって愛用している端末です。LTE版を予約して9月の発売と同時に購入して以来、ずっとグローバルモデル(C6833)を使用していました。

メイン回線をドコモ→KDDIにしたこともあってSOL24に鞍替えするくらい手放せない端末です。当然、後継モデルも出るだろう、と思ってましたがもしかしたらXperia Z UltraはXperia Z3 Tablet Compactに進化するのかな、と。

Xperia Z3 Tablet Compactは新しいスマートウォッチと共にFacebookにも投稿されていた画像から小型タブレットであることも判明しています。

2015ifa01

(この時計がSmart Watch 3だったらmoto360買ってしまいそうです。独自OSらしいですし…)

Sony UKの公式Twitterアカウントよりこんなヒントが。

 

124mm × 6.4mm × ?

124mmが横幅を表しているとすれば、iPad mini(7.9インチ)の横幅134.7mmに比べて10mmほど細く、サイズ感は7~8インチという感じでしょうか。ちなみにXperia Z Ultraの横幅92mmに対し32mmも広いので片手使用は厳しそうです。

個人的な感覚かもしれませんが、Xperia Z Ultraはビジネス用途としてキーボードをつないで打ち合わせ中にメモを取ったり社用メールの送受信に使うには、相手に「アイツ遊んでるんじゃないか?」と思われるんじゃないか?という感覚がありまして。個人的な思い込みだと思うのですが。

今回期待したいのは「ビジネス用途」です。

iPad miniのようにキーボードカバーを付けて横持ちでぜひ使いたい。

普段持ち歩くときに10インチのXperia Z2 Tabletだと大きすぎる、といったニーズはきっとあるはず。そういうユーザ向けにはかなりヒットするんじゃないかと思っています。

ようやく来たか!!と個人的には非常に期待してるXperia Z3 Tablet Compact。今回のプレスカンファレンスで一番楽しみな端末です。国内向け(SIMモデル)もぜひ、と思っていますが、どうなるのでしょうね。

このようにXperia Z3 Tablet Compactへの期待は大きいのですがXperia Z Ultraとバッティングするのも明白。

片手持ちできてスーツのポケットにもちょうど収まるXperia Z Ultraはスマートフォンとタブレットのイイトコ取りで機動性高いことがウリだったはずでしたが、ソニーはファブレットの方向性はまだ模索中なのかもしれません。

グローバルベースではXperia T2 Ultraという6インチサイズも販売しています。このモデルは新興市場向けとされ、サイズこそ巨大ですがSoCがスペックもミドルレンジで1.4GHzのクアッドコア、画面解像度もHD(720×1280)。

Ultraシリーズの行き着く先はどこになるのか、それは今回発表されるXperia Z3 Tablet Compactの商業的な成功/失敗も大きく作用するものと思われます。

Androidのビジネス利用はセキュリティ面、OSバージョンの多彩さからなかなか厳しい面もありますが、ぜひビジネス用途にも進出して欲しいと切に願っています。(これはGoogleに言うべきかも)

視点③ : Xperia Z3シリーズは「買い」なのか?

発表前からこんなことを書き残すのはおかしいのは重々承知していますが、これまでXperiaだけを追いかけてきたXperiaバカの極みの戯言として聞いてやってくださいw

日本におけるXperia Z3関連ニュースとして最大の興味は「ソフトバンクモバイルから発売される(予定)」とのロイターのニュース記事

これまでドコモとKDDIからのみ発売してきたXperiaですが、いよいよ3大キャリアでの取り扱いになります。ソフトバンクモバイルといえばiPhone一辺倒でありましたが、iPhoneも3大キャリアで発売され、ソフトバンクと契約するメリットもかなり薄れてきており、「つながりやすさNo.1」といった自社に都合の良い指数でプロモーションし続けてきた化けの皮が剥がれつつある今、端末の充実でユーザの引き止めに躍起になってるようにも見えてしまいますが、このソフトバンクモバイルでの取り扱い、ソニーにとっても「渡りに船」のビジネスなのです。

ご承知の通り、ソフトバンクモバイルは米国Sprint社を買収しました。Xperia、米国でのブランド力は日本や欧州ほどではない中で、Sprintを通じてXperiaの拡販を狙うべく新たにソフトバンクモバイルとタッグを組むことになったはず。

端末販売シェアはガートナーによるアメリカ市場の2013年第1四半期では、1位がサムスン電子(31.3%)、2位がアップル(29.6%)、3位がLGエレクトロニクス(12.7%)となっており、次いで4位で京セラ(5.9%)という記事が日経ビジネスオンラインに掲載されています。そこにはソニーの名前なし。。

もともと加入者数ベースでSprint社の米国におけるシェアは1位がVerizon(1億2350万)、 2位がAT&T(1億1660万)に続く3位(5,420万)。上位2社の半分しかありませんが、それでも新たな顧客獲得に向けてソニーはチャレンジし続けるようです。ソフトバンクモバイルはグループでの端末調達でスケールメリット(安価に仕入れられる)こと、iPhone販売で優位に立てないことから、Xperiaを取り扱いすることになったと思います。

先日発売となったAQUOS Crystalのような抱き合わせ販売やぞんざいに扱われることが無いと良いのですが・・・

ソニー躍進の原動力として

新しいXperiaの発表を前にここまで考えてしまう自分は偏屈で且つ真性Xperianだと改めて思いました。空想も大変多く含まれておりますが、コラムなので良いですよねw

あと数日で正式に発表される新Xperia。デザインはもちろんのこと、ソフトウェア的な点でも特にPOBox Plusの新バージョンにも期待したいところ。

日本時間2014年9月3日 23時15分からプレスカンファレンスは始まります。現地には多数のメディアやフリーライターさんも入られるようですので、関連情報含めて来週は非常に楽しみな一週間になりそうです!