唐突ですがNFC、使ってますか? このマーク、きっとどこかで見たことありますよね。
NFCとはNear Field Communication=近距離通信技術のことで、SONYとPHILIPS(現NXPセミコンダクターズ)が開発した、いわゆる「かざす」ことで非接触ICカード機能と、機器同士をBluetoothやWi-Fiを通じたデータ通信設定を簡単に行う機能の国際標準規格のことです。
最近ではこのNFCを用いたサービスがここのところかなり増えてきていて、特にBluetoothのペアリングが非常に簡単にできること、個人的にとても重宝しています。(決済系はまだ、、、)
今回はこのNFCについて、日本ではおなじみのおサイフケータイ(FeliCa)との違いなども踏まえまとめてみたいと思います。
参考サイト:NFCポータルサイト
NFCでできること
冒頭にも書きましたが、NFCでできることは大きく2つ。
1つは下記NFCポータルサイトにある画を見ていただくと一目瞭然ですが、複数の機器との接続に際し、「かざす」だけで双方の機器が相手との通信を自動的に設定してくれます。
例えばXperiaをプリンタに「かざす」と(事前に設定しておけば)撮影した画像を印刷する、NFC対応のスマートウォッチ(例えばSmartWatch 3)をXperiaに「かざす」とBluetoothペアリングをほぼ自動でやってくれる、等です。
もう一つは非接触ICカードとしての機能。 こちらもNFCポータルサイトの画が分かりやすいので拝借w
こちらはNFCとして、というよりFeliCa(おサイフケータイ)のほうが馴染み深いですね。 ん?そうするとNFCとFeliCaの関係はどういうことなの??と思いますが、それは次の項で。
NFCとFeliCaの関係
以下の画もまたまたNFCポータルサイトから。^^;
一番左が「おサイフケータイ」機能です。図の通りFeliCaはSONYの独自規格です。日本を中心に一部のアジア圏でのみ利用されている非接触ICカード機能となります。
そして一番右は前項の機器同士を「かざす」ことで認証(接続)する機能です。
では真ん中の3つ、「MIFARE」・「ISO14443」・「ISO15693」とはどんなものなのでしょう。調べてみました。
MIFARE(ISO14443 Type A)とは
欧米・欧州で主流の非接触ICチップ規格で、専用のチップと読み取り装置(カードリーダー)が必要です。実は日本でも採用されていて、Taspo(タバコカード)がそれです。
またFeliCaよりも数が多く、全世界で12億個のICチップが発行されているそうです。シェアを図に表すとこんなにも差があります。
(Mifareとは? – 技術者向けNFC(FeliCa,Mifare)開発支援のNFC Developers’サイトより)
ISO14443 Type Bとは
同じISO規格です。
Type Aはオランダ PHILIPS社が中心となっていますが、Type Bはアメリカ Motorola社が開発した方式です。
Type Aが非常に安価に製造できるのに対し、Type BはカードにCPUが必要でコスト的にはType Aに軍配が上がるようです。 Type Bの非接触ICカードは、日本では「住民基本台帳カード」で採用されているそうです。
ISO15693とは
ISO14443は「近接型」といって、読み取りができる距離が10cm以内であるのに対し、ISO15693は「近傍型」といい、読み取りできる距離が70cmと長いのが特長。 社員証や入館証、図書館用ICタグなどで利用されているそうです。
こうして見ていくと、カードやスマホを「かざす」ときにはこの『NFC規格』という大きなくくりの中の一機能(サービス)を利用しているという解釈をすれば分かりやすいかもしれません。 一言で言えば
『NFC規格』の中にFeliCaも含まれるけれど、NFC=FeliCaではない、
と言ったほうが分かりやすいでしょうか。 FeliCaは日本ではかなり普及していると思っていましたし、海外で非接触ICなんて全然まだまだなんだな、と思ってましたが実はそうではなかった、ということが分かりました。
XperiaにおけるNFC対応状況
ドコモのサイトが分かりやすかったのでこちらを見てみて下さい。
上段の「FeliCaのみ」はXperia acro HD、GX、SXです。
世に言う【おサイフケータイ】や【電子マネー】といわれる「モバイルSuica」や「楽天Edy」、「nanaco」、「WAON」などの利用、マクドナルドのクーポン、JALやANAのeチケット(チケットレスでチェックインできるサービス)などが利用できますよね。
下段の「NFC(FeliCa搭載)」がXperia AX以降のXperiaシリーズ、具体的にはXperia Z、UL、A、Z1、Z1 f、Z2、A2、ZL2、Z3、Z3 Compactとなります。こちらは上記「おサイフケータイ」機能のほか、機器同士の接続を簡易化できる機能、(事前に登録できていれば)MIFAREサービスを受けることができます。
※XPERIA・Xperia arc・Xperia acro・Xperia ray・Xperia PlayにはFeliCaもNFCも非搭載です。
また、JALはおサイフケータイ対応はもちろんですが、NFCによるチケットレスサービスも開始しています。対応アプリをインストールし、ID登録をしておけば今すぐにもNFCサービスを使うこともできます。
このようにおサイフケータイ対応のXperiaといっても、実は2種類の対応機種があることをまずは知っておきましょう。
また、本体がNFC対応であっても、対応するSIMカードも必要です。ドコモのSIMカードは大昔の「緑」から「白」→「赤」→「ピンク」と変遷してきましたが、このNFCに対応するためには「ピンク」に変更する必要があります。もし自分のSIMカードがピンク以外だった場合、ドコモショップで無償交換してもらえますので試してみてください。
auのSIMカード(ICカード)についてはNFC対応/非対応の情報が見つけられず、よほど古いものでなければ対応できていると解釈しました。
iPhone 6 / 6 PlusのNFCは?
そういえばiPhone 6 / 6 PlusにもNFCが搭載されましたが一向に盛り上がる気配すら感じられません。これは、
iPhone 6 / 6 PlusのNFCは現時点では上記NFCが本来持っている機能は日本では一切利用できないから
だと思います。現在はApple Payという日本では使えない決済サービスのため『のみ』の機能であり、「かざす」ことで相手機器との認証すらできないクソ誰得仕様なのです。
そのApple Payは事前にApple IDとカード情報の紐付けを行い、その情報は端末(Passbook)に保存、実際の決済時にはTouch ID(指紋認証)で本人認証後、リーダ側に表示されたApple PayとiPhone間で決済データの送受信が行われるため、店員にカード番号を知られること無く非常に安心である、という話のようです。
参考:宮本和明のシリコンバレー最新先端技術報告 – Apple Payの使い心地は快適!この安心感は日本人の心を掴むか?:ITpro
iPhoneユーザから「NFC」という言葉が一切出てこないのはそういうワケなのです。せめて機器間の認証(接続)だけでも使えるようになるともっとNFCも盛り上がると思うのですが。。。(Apple Watch対応でいよいよ機能リリースされるといいのですが・・・)
余談ですが、Apple社はこのApple PayサービスやApple SIMという新たなサービスでAndroidからシェアを得て顧客の囲い込みを模索しているようです。もう端末性能やデザイン、iOSでAndroid勢を駆逐できないと判断したのでしょうか。
NFCを活用する
これまでまとめてきました通り、大きくは「決済系」と「認証系」があるNFC。これらを活用する策をまとめてみました。
決済系まとめ
NFCの決済系は日本ではまだ恩恵を受けるシチュエーションが限られています。決済系ではいつかFeliCaの置き換えを期待したいところですが、まだ時期尚早な感じ。
これだけ普及しているFeliCaを一掃するのには相当な時間がかかるでしょうし、一度NFCを使ってみるとわかると思いますが、相手を認識するのに結構時間がかかったり。この認識スピードだと自動改札で渋滞が起こりそうですし。。
では次の活用策として、機器同士の認証(接続)が簡単にできることを考えてみます。
認証系まとめ
これにはNFC対応する機器(相手方)が必要ですが、もし家電製品やPC周辺機器を購入するときはちょっと意識してみると良いかもしれません。最新情報ではなかったようですが、対応機器を一覧にしたサイトがありました。冷蔵庫や洗濯機も対応してるんですね。驚きですw
国内のNFC家電を一覧にしてみました | NFC専門情報サイト | NFC Tags
ステマ余談ですが私、最近NFC対応の家電製品を2点買いまして。