2015年3月12日、年明けの日本通信の決算発表の席上でパッケージ(箱)だけリリースしてみたり、我々を非常に期待させてきた日本通信 株式会社× VAIO株式会社による「VAIOスマホ」がいよいよ発表になりました。
今回は、ほぼ事前リーク無くどんなモデルなのか検討がつかない状態でwktkしていましたが、いざ発表されるとケータイジャーナリストの方々もこんな反応で。
VAIOスマホ、何がやりたかったのかが見えてこない。
— 石川 温 (@iskw226) 2015, 3月 12
これ、大丈夫かな。。。 — Junya ISHINO/石野純也 (@june_ya) 2015, 3月 12
VAIO Phoneとは「VAIOがデザインを中心に監修」し、日本通信が販売するSIMフリースマートフォンですが、この画像から「V A I O が デ ザ イ ン を 中 心 に 監 修」ということをどうやったら読み取れるのでしょう。
VAIO Phoneは2つの買い方があります。
◯一括購入時、51,000円(税別)※新規事務手続き手数料含む
◯端末24回分割払い時、
- 音声通話 + 上限のない高速定額プランをあわせて月額:3,980円
- 音声通話 + 1GBのライトプランとあわせて月額:2,980円
販売は日本通信サイト、もしくは明日3/13~全国のイオン、おうちでイオンにて予約受付が開始されます。
なお、出荷は3月20日からとなるそうです。
このVAIO Phoneが一括51,000円、分割なら毎月3,000円(データのみ)~4,000円(通話可)で使えるなら「買い!」と思う方もいるかもしれませ ん。一応「国産」のスマートフォンですし、販売網は全国のイオン540店舗及びイオンモバイルですので、一般層には「おおVAIOスマホか!いいじゃんいいじゃん!」となるかもしれませ ん。
日本通信はこのVAIO Phoneを5ヶ月で40億円の売上は達成できるのでしょうか・・・
目次
VAIO Phoneに対するネット上の反応は
発表会が絶賛開催中なのに早々にこの反応。。。
VAIO phoneの発表について ・スペック→まあそんなもんだと思ってた ・デザイン→VAIOとはなんだったのか ・本体価格→たっかwwwwww ・割賦価格→キャリアとやってること同じだし日本通信が普段言ってることと違う
— 千の風になって (@argos_M1111) 2015, 3月 12
散々日本通信がハードルと期待値を上げすぎた結果がこの有り様だしな。まさにthis is not good for the market.だな — ヴェルテス@Ascendユーザー (@Verteth) 2015, 3月 12
どう見ても空振りしてますよね? pic.twitter.com/MmaVsEdpqh
— うさぎの飼い主 (@usagi_kainusi) 2015, 3月 12
VAIOPhoneちゃん(享年0才0ヶ月0日) 死因:デザインの放置と価格設定 — 雪華 (@setsu_may) 2015, 3月 12
何時もどんなクソ端末が発売されてもTLで一人くらいはほしいって変態が居るのに VAIOPhoneに対して買う宣言してる人を見かけない
— えれね。 (@colorfulpastel) 2015, 3月 12
VAIO Z、あれは高いけどそれに見合った筐体やスペックだからまだ許せる。 だけどVAIOPhone、お前は許容範囲を大きく超えている。 — 雪華 (@setsu_may) 2015, 3月 12
【みんながおもってたVAIOPhone】 PCのVAIOみたいにおしゃれなVAIOPhone 【実際のVAIOPhone】 そこらへんのスマフォにVAIOって書いただけのVAIOPhone
— 狙撃銃 (@HandKG3SG1) 2015, 3月 12
VAIOPhoneだけど、VAIO株式会社が作ったのか、まじで知りたいな。こんな「何もかも中途半端」な端末を自信もって売れるのか。今からでもいいから、日本通信に名前だけ貸したとか言おうよw しかも、これで端末5万とかないだろ。良くて29800。 — かみさわ (@kamisawakazuma) 2015, 3月 12
ここで発売予定一括51,000円のVAIOPhoneとMNP一括0円キャッシュバック付きで投げ売り中のXperiaZ3をスペック比較してみましょう(´・ω・) pic.twitter.com/ahT8M1mpOz
— DON (@D0N12345) 2015, 3月 12
ちなみに、市場の反応も合わせてご紹介しておくと、今日の日経平均は19,000円台まで乗せてきているにもかかわらず、日本通信の株価は発表会開始直後に上昇しましたが発表会終了と同時に下落。。。
市場関係者も落胆しているのが読み取れると思います。
どうしてこうなってしまったのか、その理由を次章以降で考察してみます。
なんと本体(筐体)デザインはVAIO専用ではない!
なんと、Panasonic製ELUGA U2(台湾市場向け)と同じ筐体を使っていることが発表会開始後5分でバレてしまい、しかもこのELUGA U2は日本円で3万円という。。。
参考:
http://blogofmobile.com/article/32802
Latest news about Smartphone, Tablet, Device, Network and SIM card.
もっともELUGA U2は日本で販売するわけではないので一概に比較はできませんが、3万円で販売しても企業として販管費を差し引いても十分に利益が出るスマートフォンということを勘案すると、こういう図式が成り立つ?
もちろん冗談ですw
VAIO Phone、製品自体は1.2GHzクアッドコア、5インチHD液晶、OSはAndroid5.0(Lolipop)ですし、RAM/ROMは2GB/16GB、カメラは1300万画素といういわゆる「ミドルレンジ」のAndroidスマートフォンです。 これを日本通信が独自モデルとして発売するならまた全然反応は違ったことでしょう。
どこらへんが「VAIOがデザインを中心に監修」なのか
もともと会社設立間もない状態で、まずは本流のVAIO PCをイチから作り上げることに注力し、ようやく先日VAIO Zを世に送り出したわけですから、本体のデザインまで自社で、というのは難しいと思っていました。しかし例えばUI(ホームスクリーン)などVAIOらしさをどう表現するのかを楽しみにしていたわけです。 しかし今日の発表で分かったことは、「壁紙がVAIO PCと同じ」であること、本体にVAIOのロゴが表と裏の2箇所にある、という惨憺たるもの。
アイコン、設定画面等々、素のAndroid5.0 どこらへんが「デザインを中心に監修」なのか、まったく分かりませんでした。
しかも対応機能を見てみると、
おサイフケータイ・NFC | × |
ワンセグ/フルセグ | × |
VoLTE | × |
防水・防塵 | × |
というキャリアモデルがサポートしている機能の大多数が未サポートであることも非常に残念。これらの機能はハードウェア依存ですので仕方ないといえばそうなのですが、、、
この2つがネット上で散々叩かれている理由だと思います。せめてVAIO株式会社が「売り」としている『安曇野フィニッシュ』(OEMモデルも含めたVAIO全モデルの最終仕上げ、品質チェックの実施を安曇野で行うこと)をやればまた違った反応だったことでしょう。
VAIO Phoneを総括する
ネット上でこれだけdisられる(けなされる)と一般的には「売れる」というジンクス、今回はどうでしょうね。
VAIOを名乗る以上、VAIOらしさを求めるのがユーザの気持ち。それを逆手に取って言わば「名義貸し」のような状態で声高に「VAIO Phoneです!」と言い放った日本通信のユーザの声を全く無視した売り方。
これではうまくいくはずもありません。
また、MVNOの普及には安価である以上に「安心感」と「サポート体制」が重要だというのが持論ですが、VAIO Phoneには「安心感」は◯が付くかもしれませんが、サポートはやはりキャリアの手厚いサポート(月3~400円で新品交換してくれる)には及びません。
はじめてスマートフォンを手にしようとする層に対してはまだ「敷居が高い」ことはVAIO Phoneを以っても厳しい状況は変わりそうもありません。
また、これだけネットで叩かれてしまうのは「VAIO」というブランドに対する期待に対する失望と、期待するユーザをさんざん煽るような日本通信の広告宣伝手法が完全に裏目に出たことが最大の原因でしょう。
明日から予約が始まりますが
ちょうどMNPできる回線は持ちあわせてはいるものの、もう少しVAIOらしい内容であれば「初VAIO」にしようと思っていました。
しかしあまりにも平凡すぎる(割には日本で使うには物足りない)仕様です。これならSony Mobileがグローバル向けに発売を予定しているXperia E4gやXperia M4 Aquaのほうが満足度は高いと正直思いました。(もちろんグローバル版Xperiaは技適マークを取得していないため日本での利用は電波法違反になりますが)
私もさんざんdisりましたが、やっぱり実機を触ってみないと正確に「いい」のか「ダメ」なのかを言ってはいけないと思いますので「人柱」になろうかな、と「今は」思っていますw 乞うご期待ww