GW明け初日、ドコモとauが相次いで新製品発表会の開催日を発表しました。
ドコモ:https://www.nttdocomo.co.jp/2015_summer_feature/index.html?icid=CRP_TOP_mainPR_2015_summer
au:http://www.au.kddi.com/mobile/product/selection/presentation/
ドコモは5月13日(水)15:00~
auは5月14日(木)12:00~
いずれも発表会の模様をライブ配信されることとなっています。
ソフトバンクはSIMロック解除を含め今のところ沈黙を保っていますが、昨年孫社長が「もう新製品発表会の役割は終えたのではないか?」と発言していることからニュースリリース程度で発表を済ませるものと思われます。
今回はキャリアによる製品発表会っていつまで続くんだろう、、と思っていろいろ考えを巡らせてみました完全なる私見(コラム)です。
孫社長の発言は確かに的を得ている。
というのもグローバルで展開するAndroidスマートフォンのお披露目は、主に1月のCESと2月のMWCであり、ここで1Q-2Q(1-6月)中に発売する「一番売りたい」新モデルを発表するという流れになっています。ちなみにiPhoneもAppleが9月に行うイベントで新モデルを発表しています。
こうした場でメーカーが発売キャリアまで発表すればわざわざ日本で(金をかけて)キャリアが発表会をやる意味は無いのかも、と思いまして。もちろんその時期にまだ扱いが確定していないかもしれませんが。。。
またキャリアの発表会の後、メーカーが補足説明として別途製品発表会を設けるこのやり方もそろそろ見直しの時期に来ているんじゃないかと思います。
新たな動きとなることに期待したい
サムスンは新Galaxy扱いキャリアであるドコモ・auの発表会より1ヶ月以上前の4月8日に「Galaxy World Tour 2015 TOKYO」と題したイベントを独自に開催し、Galaxy S6 / S6 edgeを発表し、そしてソニーも4月20日に世界に先駆けてXperia Z4を発表しました。
この動きは今年特例 (*1) かもしれませんが、キャリアから発表する前に自社製品を発表したことはこれまで1度もありません。日本メーカーはきっとこうしたプレゼン活動はしない(できない)のでしょうね。サムスンがその風穴を開けてくれたことは素晴らしいことだと。
この動きはSIMロック解除の動きと合わさり、一般的になっていって欲しいものです。
(*1)今年は「ドコモのツートップ」で契約したXperia / Galaxyユーザの2年縛りが解けるのに伴い、大量のユーザがMNP含め次期スマートフォンを選択する年です。Xperia A(SO-04E)の発売日は2013年5月17日、Galaxy S4(SC-04E)の発売日は2013年5月23日ですから、6月の1ヶ月が更新月となります。
そうはいっても、、、シャープ・富士通は・・・
日本のスマートフォンはグローバルプレーヤーばかりではなく、シャープや富士通という日本市場に特化した製品開発・販売と海外向けと完全に製品を分けているメーカーもあります。
もちろん、キャリアサービスの進化の発表は必要でしょうから、それらを紹介する場として発表会は欠かせない場でもあるのも分かりますが、今の発表会はまずは新製品の発表をした後、キャリアサービスの紹介という流れですから、今の発表会の意味合いが強いのはやっぱり「新端末」の発表なのでしょう。
このキャリアべったりな姿はガラケー時代と何ら変わらない日本の悪しき慣習かもしれません。
iPhoneは売れるから喜んで売るの、ではない事情が
まだ日本の携帯電話事情が「鎖国」状態だったころはこれで良かったのかもしれません。しかしiPhoneという「黒船」がやってきて日本の鎖国は完全に終了しましたね。
そして各社iPhoneの扱いとその他Androidの扱いとで大きく差があるのはご承知の通り。キャリアはiPhoneを「売らせてもらっている」のに対しAndroidスマートフォンは「売ってやってる」という構図。
その甲斐あってか、IDC Japan株式会社の調査によると日本における2014年度スマートフォンシェアはiPhoneは58.7%だそうです。
これは各社アップル社との契約がアップル社有利になっているようで、販売台数のコミット、シェア(販売数の4割とか)が決められているようです。だから販売台数を稼ぎたい=0円でもいいからとなっていきます。毎月のパケット通信料や通話料で回収していけば、、ということですが、今や定額制であり通信での儲けは契約者が増えないと右肩上がりにならないわけで、そうなると通信以外で儲けようとdのつくサービスをしきりに薦めたりするわけですよね。
こんなやり方するならキャリアはiPhoneだけを売っていればいいよ!AndroidはSIMフリーでメーカーから直接買うから!!という極端な意見も出てくるかもしれませんね。
でも、、、そういう客ばかりではないのが日本式ケータイ事情です。
なにが起きてもショップが助けてくれる
というユーザが多いのも事実。実際SIMフリーが販売されたとして喜ぶのはごく一部のユーザ層です(たぶん)。
ごく一般的なユーザはやっぱり購入するときに料金プラン、分割購入も含め相談したい「場」であり、うまく動かない時は赤い看板やオレンジの看板を見つけて駆け込めばきっと何とかしてくれるという「場」であることに慣れてしまっているわけで、このキャリアとユーザの蜜月関係を壊すことはできないでしょう。今の時点でキャリアの手厚いサポートから離れられるのはほんの僅かでしょう。(というかリテラシー高い層は既に離れているわけで)
そして週末のキャリアショップの待ち時間がディズニーランド並みの◯時間とかになるわけです。よくみんな辛抱強く待ってますよね、私は耐え切れませんので平日が休日の朝一番に並んで済ませます。。
だから発表会は無くならない
きっと海外では困ったときは自分で解決していくことが当たり前なのでしょうが、日本は何に対しても丁寧に分かりやすく、です。でもこれが日本式「おもてなし」の心なんだろうなぁと思って。
日本におけるキャリアの位置付け(顧客が求めること)は土管屋稼業ではないです。「よろず相談処」であり、困ったらなんとかしてくれる「駆け込み寺」なのですよね。
それに対し笑顔でお客さまのために誠意を尽くすことで「多少高いかもしれないけどサービスがいいから次はここで買おう!」って思ってもらうための教育を受けられているのですよね、キャリアショップの中の人は。そんな層に対し「格安SIMは聞いたことあるけど、これ以上の満足が得られるか?」とMVNOに問うてもそれに応えるのは難しいでしょう。
もっとも、MVNOはそんな層まで引き込もうとまでは考えていないかもしれませんが。。
キャリアがユーザにこころから貴方様の下僕になりますよ寄り添う立場である以上、ユーザが求める新しい情報を提供する「義務?義理??」もありますから、これまでのような発表会はやっぱり必要なのでしょうね。。。もう諦めるしかなさそうです。
6月はキャリアにとって戦国時代
上にも書きました通り6月1日からドコモのツートップ戦略で契約したXperiaを含むユーザが満期を迎えます。大量のユーザが次のスマートフォン選びでiPhoneを指名買いする率がどのくらいあるのか、ドコモからMNPするユーザがどのくらいいるのか(au / softbank iPhoneは16GBなら間違いなくMNP0円ですよね)
そんな中、ソニーモバイルはXperia Z3で初の3キャリア販売体制を敷くことができました。今回発売が予定されているXperia Z4、海外ではXperia Z3+と言われようが国内Xperiaとしてはフラッグシップモデルです。そして最後のオムニバランスデザインモデルです(たぶん)。
これをこの6月からのドコモ⇒au / softbankへの転出祭りがもし起きたとしてもその転出先でも「これまでと同じ『Xperia』が使えますよ、しかもMNPなら格安で!」となればソニーのシェアは落ちないわけです。ソニーモバイルにとっては対iPhone戦略としては是が非でも3キャリア扱いをしないといけないのです(たぶん)。
au Xperia Z4は発売日からMNP一括0円案件が出てくるか?なんてことも予想していますが、どうなるでしょうね。(短期MNPしづらくなっている今、飛びつける方がどのくらいいるか・・・)
色んな意味で来週の発表会は楽しみです。(特にキャリアの新サービスとメディアによる質疑応答内容)