今年突如として注目されているデュアルSIMモデル。Xperia XシリーズのデュアルSIMモデルはこれで3製品目となります。今回もExpansysさんからお借りしたXperia X Dual(F5122)を使用してデュアルSIMモデルの動作を確認してみました。
デュアルSIMとは、その名の通り1代のスマートフォンにSIMカードが2枚挿入できるモデルを指します。例えば通話用の安価な契約をしたSIMとデータ通信用にMVNO(格安)SIMという組み合わせで利用できるのです。
デュアルSIMモデルはこれまでもアジア圏モデルを中心に販売されてきましたが、2G(GSM)+3G/4G(LTE)という日本では停波してしまった2Gとの組み合わせとなるため、実質シングルSIM仕様だったためあまり注目を集めませんでしたが、最近リリースされるデュアルSIMモデルは3G(WCDMA)+3G/4G(LTE)をサポートするモデルが出現し、にわかに界隈が賑わってきているように感じます。この動作ができるのは、クアルコム社のSnapdragon 820のおかげ。
Xperia Xシリーズではフラッグシップモデル、Xperia X Performance、廉価モデルXperia XA、普及モデルXperia XというラインナップすべてにデュアルSIMモデルが存在します。これまでにXperia X Performance Dual(F8132)が3G+3G/4G(LTE)をサポートしたことはこちらの考察でまとめ、
【X Performance Dual】 グローバル版がサイコーに使い勝手良い!という結論 – XperiaにおけるAndroidアプリ考察
そして、Xperia XA Dual(F3116)の動作はこちらのように
【XA】デュアルSIMのXperia X PerformanceとXperia XA Dualの動作の違いを検証してみた – XperiaにおけるAndroidアプリ考察
まとめてきました。
最後となりますXperia X Dual(F5122)、どのような動作になるのでしょう。さっそくトライしてみました。
Xperia X DualのデュアルSIMの動作は
結果は、NGです。。。
SIMの設定をXperia X Performance Dualと同じようにSIM1にドコモ音声契約SIM、SIM2にmineo(Dプラン データ通信)のSIMを入れ、SIM1には通話を、SIM2はLTEデータ通信を割り当てたかったのですが、SIM2の設定をLTE/WCDMA/GSMにし、SIM1の設定をWCDMAのみにしたかったのですが、上記のようなGSMに~と表示されてしまいました。
このようにXperia XシリーズでデュアルSIMの恩恵を受けられるモデルは唯一、Xperia X Performanceだけという結果になりました。Xperia X Dual、Xperia XA Dual共に、GSM+LTEという対応となるため、日本では実質シングルSIMという扱いになります。
もっとも、この3G+3G/4Gが実現できるのもSoC(Snapdragon 820)のおかげです。Xperia XのSoCは同じくクアルコム社 Snapdragon 650、Xperia XAに至ってはMediaTek社の Helio P10ですので、3G+3G/4Gは未サポートなのです。
広い世界にはもっと有用なデュアルSIMモデルもある
また、一口に「デュアルSIM」といってもその動作は3種類あります。
- Dual SIM-Single Standby(DSSS):2枚のSIMを手動で切り替えるパターン
. - Dual SIM-Dual Standby(DSDS):2枚のSIMで同時待受できるが通話中はデータ通信ができないパターン
. - Dual SIM-Dual Active(DSDA):2枚のSIMで同時に通信+通話可能なパターン
Xperia X Performanceはこのうちデュアルスタンバイ(DSDS)です。音声通話中はデータ通信ができません。これはまるでKDDIが採用してきたCDMA2000のような状態です。
真のデュアルSIMはDSDA。これができる日本で手に入るモデルは現時点でモトローラ社 Moto G4 Plusのみ。
ちなみにASUS社 Zenfone 3シリーズもDSDAが可能です。
デュアルSIMモデルを日本で合法的に使いたい!という方は、今はMoto G4 Plusが良いかもしれません。(残念ながらXperia XシリーズのデュアルSIMモデルは技適マーク無しです。Xperia X Dual、別途考察しますがXperia X Performanceより薄くて持ち心地が良くて動作も軽快で非常に好印象なんですけども・・・)