先週末にこんなニュースが駆け回ったのをご存知でしょうか。
携帯買い替えずに会社変更 15年度にも割安回線へ容易に – 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014062801001333.html
全国47都道府県・52参加新聞社と共同通信の内外ニュース。地方創生・写真・動画。地域の文化や活力を発信。野球、サッカー、ゴルフなどスポーツも地域密着から五輪まで。新商品・技術、観光、B級グルメ、映画、音楽、新刊、心和む記事コーナーなど
SIMロック解除は2010年6月に総務省がガイドラインを定めました。ドコモはガイドラインに従い、iPhoneを除くスマートフォンに対しSIMロック解除を「個別申し込み」する利用者に対し有償で解除を行ってきました。
一方、ソフトバンクは人気のない機種にのみ有償でのSIMロック解除を提供し、その解除件数が少ないことを理由にSIMロック解除は反対の姿勢を取っています。KDDIは3G電波の種類が違い、利用者はSIMロック解除の恩恵を受けることができないことからか、未だ0機種です。
総務省では、キャッシュバック戦争に端を発した携帯契約について、様々な観点で見直しを計画。有識者会議という検討の場を持ち、回線契約の2年縛りという閉鎖的な悪しきルールの撤廃と合わせ、SIMロック解除の推進を図ろうとしています。
そんな中、個人的にSIMロック解除を申し込んだことがなかったので、ドコモ→auへMNPして出番がめっきり減ってしまったXperia Z1 f(SO-02F)をSIMロック解除してきましたので、考察してみます。
SIMロック解除のメリット
現時点ではSIMロック解除をするメリットは実はあまりありません。
もちろんドコモXperiaを他社契約SIMで使えることになりますが、現時点で利用できるのは以下の3つの選択肢のみ。
- ソフトバンク(+ イー・モバイル)契約SIMの利用
- KDDI(au)契約SIMの利用
- ケイ・オプティコム社のMVNO「mineo」の利用
ここで大事なのは、利用キャリア(サービス)の提供電波(周波数)と利用端末の対応周波数です。
そこで世界共通で定められている周波数帯(BAND)をキャリア・端末の両方の観点で確認する必要があります。
下記は国内キャリアが提供している周波数帯の一覧です。
バンド名 | 周波数帯 | NTTドコモ | ソフトバンク | KDDI(au) | イーモバイル |
BNAD1 | 2.1GHz | ◯ | ◯ | ◯ | |
BAND3 | 1.8GHz | ◯ | *1 | ◯*1 | |
BAND8 | 900MHz | ◯ | |||
BAND11 | 1.5GHz | ◯ | |||
BAND18 | 800MHz | ◯ | |||
BAND19 | 800MHz | ◯ | |||
BAND21 | 1.5GHz | ◯ | |||
BAND26 | 850MHz | △*2 | |||
BAND28 | 700MHz | △*3 | *4 | △*3 | △*4 |
*1 ソフトバンクがイーモバイルのLTEの網を用いて「ダブルLTE」サービス提供
*2 BAND18を内包しており、blog of mobileさんで一部機種において接続できたことを確認されています。
*2 2015年1月サービス提供開始予定
*3 2015年12月サービス提供開始予定。ソフトバンクはBAND3と同じように利用する?
上記に対応する周波数帯が使える端末を準備し、利用するキャリアの対応周波数を確認することが大切です。
KDDI系のSIM利用に対する大事な注意点
「なぁ~んだ、ドコモのXperiaをau回線で使えるんだ! これならランチパックXperia ZL2なんて買わずにXperia Z2の白ロム買おう♪」
と思う方がいたら、ゴメンナサイです。
(1) 音声通話について
これまでまとめてきたのは「LTE網を使ったデータ通信」の利用を前提としています。KDDI及びそのMVNOサービスをドコモXperiaで使おうとしても「音声通話(3G)ができない」のです。
これはKDDIの3G規格がドコモやソフトバンクのW-CDMAとは違い、CDMA2000という全く異なる規格を採用しているため、互換性がありません。
ですので、データ通信を目的としたドコモXperia × auデータ通信・MVNOの「mineo」はアリです。
が、対応周波数はBAND1のみとなります。
(2)mineoのデータ通信内容について
mineoはあくまで「KDDIの提供する『LTE網』を用いたMVNOサービス」です。LTEが入らない場所や地域では通常3G通信となりますが、mineoはLTEサービスのみですので、そういう場所や地域では『圏外』となります。
他社SIMをさしてみる
SIMロック解除しないままドコモ以外のSIMを入れるとこんな画面が表示されます。
今回はXperia Z1 f(SO-02F)をSIMロック解除してKDDI初のMVNOサービス提供者となったケイ・オプティコム社サービス「mineo」で通信ができるか確認してみます。au Xperiaにこのサイズがあったら間違いなくauで契約してるんですけどね。。
通信事業者を検索してみました。ドコモとソフトバンクはLTE/3Gを認識するも、KDDIはLTEのみを認識。(mineoはデータ通信契約にしているため?それともW-CDMA網でKDDIは3G通信ができないから??)
SIMロック解除を申し込んでみた
ドコモショップにてSIMロック解除してきました。料金は税込み3,240円。
持ち物は
- SIMロック解除する端末
- 運転免許証など本人確認書類
- mineoのSIM
- 3,240円(カードでも可)
手続自体はつつがなく終了。外装のチェックと充電できるかのチェックのみでした。
SIMロック解除キー:数字16桁をDS店員さんが入力し、解除完了表示が出ると完了。(このキーは自動生成されるので他端末での流用は不可です)
至って事務的に作業が行われ、理由を聞かれることも何もありませんでした。(既にMNP解約済み端末を持ち込んだからかもしれませんが)
SIMロック解除されているかの確認方法
設定>その他の設定>モバイルネットワーク>アクセスポイント名>(メニューキー)>初期設定にリセット
したときに、ドコモXperiaではSPモードやmoperaのアクセスポイントが初期登録されていますが、SIMロック解除すると空欄になります。
まとめ
現時点ではあまりメリットが無いかもしれないSIMロック解除。
個人的にXperia Z1 fのサイズ感を常に持ち歩きたいと思っていました。ドコモXperiaでau契約のSIMカードを用いて通話ができればベストなのですが、残念ながらKDDIは通話(3G)の通信方式違うため通話はできません。
よってデータ通信のみとなりますが、いつでも気軽に持ち歩けるXperia Z1 fをmineoで使えるようになる「SIMロック解除」はやってみてよかったな、と思っています。
ここ数年でこのSIMロック解除はデフォルトで設定されることになるかもしれません。しかしキャリアにとってSIMロック解除はメリットがあまりない気がします(総務省は利用者のメリットを優先してる)ので、IMEIという端末固有の識別番号のロックなど、別の手立てで顧客流出を防ぐようになるかもしれません。
いずれにせよ、ここ数年で携帯電話業界は大きく変わるような気がしています。目が離せません!