【コラム】巷で話題(?)のSIMロック解除を実行してみた

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先週末にこんなニュースが駆け回ったのをご存知でしょうか。

携帯買い替えずに会社変更 15年度にも割安回線へ容易に – 47NEWS(よんななニュース)

47NEWS(よんななニュース)
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SIMロック解除は2010年6月に総務省がガイドラインを定めました。ドコモはガイドラインに従い、iPhoneを除くスマートフォンに対しSIMロック解除を「個別申し込み」する利用者に対し有償で解除を行ってきました。

一方、ソフトバンクは人気のない機種にのみ有償でのSIMロック解除を提供し、その解除件数が少ないことを理由にSIMロック解除は反対の姿勢を取っています。KDDIは3G電波の種類が違い、利用者はSIMロック解除の恩恵を受けることができないことからか、未だ0機種です。

総務省では、キャッシュバック戦争に端を発した携帯契約について、様々な観点で見直しを計画。有識者会議という検討の場を持ち、回線契約の2年縛りという閉鎖的な悪しきルールの撤廃と合わせ、SIMロック解除の推進を図ろうとしています。

そんな中、個人的にSIMロック解除を申し込んだことがなかったので、ドコモ→auへMNPして出番がめっきり減ってしまったXperia Z1 f(SO-02F)をSIMロック解除してきましたので、考察してみます。

sim-lock01

SIMロック解除のメリット

現時点ではSIMロック解除をするメリットは実はあまりありません。

もちろんドコモXperiaを他社契約SIMで使えることになりますが、現時点で利用できるのは以下の3つの選択肢のみ。

  • ソフトバンク(+ イー・モバイル)契約SIMの利用
  • KDDI(au)契約SIMの利用
  • ケイ・オプティコム社のMVNO「mineo」の利用

ここで大事なのは、利用キャリア(サービス)の提供電波(周波数)と利用端末の対応周波数です。

キャリアがサービスする周波数に利用端末が対応していなければ通信できませんし、利用端末に対応する周波数をキャリアが提供していなければ利用することができません。

そこで世界共通で定められている周波数帯(BAND)をキャリア・端末の両方の観点で確認する必要があります。

下記は国内キャリアが提供している周波数帯の一覧です。

バンド名 周波数帯 NTTドコモ ソフトバンク KDDI(au) イーモバイル
BNAD1 2.1GHz
BAND3 1.8GHz *1 ◯*1
BAND8 900MHz
BAND11 1.5GHz
BAND18 800MHz
BAND19 800MHz
BAND21 1.5GHz
BAND26 850MHz △*2
BAND28 700MHz △*3 *4 △*3 △*4

*1 ソフトバンクがイーモバイルのLTEの網を用いて「ダブルLTE」サービス提供

*2 BAND18を内包しており、blog of mobileさんで一部機種において接続できたことを確認されています。

*2 2015年1月サービス提供開始予定

*3 2015年12月サービス提供開始予定。ソフトバンクはBAND3と同じように利用する?

上記に対応する周波数帯が使える端末を準備し、利用するキャリアの対応周波数を確認することが大切です。

KDDI系のSIM利用に対する大事な注意点

「なぁ~んだ、ドコモのXperiaをau回線で使えるんだ! これならランチパックXperia ZL2なんて買わずにXperia Z2の白ロム買おう♪」

と思う方がいたら、ゴメンナサイです。

(1) 音声通話について

これまでまとめてきたのは「LTE網を使ったデータ通信」の利用を前提としています。KDDI及びそのMVNOサービスをドコモXperiaで使おうとしても「音声通話(3G)ができない」のです。

これはKDDIの3G規格がドコモやソフトバンクのW-CDMAとは違い、CDMA2000という全く異なる規格を採用しているため、互換性がありません。

ですので、データ通信を目的としたドコモXperia × auデータ通信・MVNOの「mineo」はアリです。

が、対応周波数はBAND1のみとなります。

(2)mineoのデータ通信内容について

mineoはあくまで「KDDIの提供する『LTE網』を用いたMVNOサービス」です。LTEが入らない場所や地域では通常3G通信となりますが、mineoはLTEサービスのみですので、そういう場所や地域では『圏外』となります。

他社SIMをさしてみる

SIMロック解除しないままドコモ以外のSIMを入れるとこんな画面が表示されます。

mineo04

今回はXperia Z1 f(SO-02F)をSIMロック解除してKDDI初のMVNOサービス提供者となったケイ・オプティコム社サービス「mineo」で通信ができるか確認してみます。au Xperiaにこのサイズがあったら間違いなくauで契約してるんですけどね。。

通信事業者を検索してみました。ドコモとソフトバンクはLTE/3Gを認識するも、KDDIはLTEのみを認識。(mineoはデータ通信契約にしているため?それともW-CDMA網でKDDIは3G通信ができないから??)

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SIMロック解除を申し込んでみた

ドコモショップにてSIMロック解除してきました。料金は税込み3,240円。

持ち物は

  • SIMロック解除する端末
  • 運転免許証など本人確認書類
  • mineoのSIM
  • 3,240円(カードでも可)

手続自体はつつがなく終了。外装のチェックと充電できるかのチェックのみでした。

SIMロック解除キー:数字16桁をDS店員さんが入力し、解除完了表示が出ると完了。(このキーは自動生成されるので他端末での流用は不可です)

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至って事務的に作業が行われ、理由を聞かれることも何もありませんでした。(既にMNP解約済み端末を持ち込んだからかもしれませんが)

SIMロック解除されているかの確認方法

設定>その他の設定>モバイルネットワーク>アクセスポイント名>(メニューキー)>初期設定にリセット

したときに、ドコモXperiaではSPモードやmoperaのアクセスポイントが初期登録されていますが、SIMロック解除すると空欄になります。

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まとめ

現時点ではあまりメリットが無いかもしれないSIMロック解除。

個人的にXperia Z1 fのサイズ感を常に持ち歩きたいと思っていました。ドコモXperiaでau契約のSIMカードを用いて通話ができればベストなのですが、残念ながらKDDIは通話(3G)の通信方式違うため通話はできません。

よってデータ通信のみとなりますが、いつでも気軽に持ち歩けるXperia Z1 fをmineoで使えるようになる「SIMロック解除」はやってみてよかったな、と思っています。

ここ数年でこのSIMロック解除はデフォルトで設定されることになるかもしれません。しかしキャリアにとってSIMロック解除はメリットがあまりない気がします(総務省は利用者のメリットを優先してる)ので、IMEIという端末固有の識別番号のロックなど、別の手立てで顧客流出を防ぐようになるかもしれません。

いずれにせよ、ここ数年で携帯電話業界は大きく変わるような気がしています。目が離せません!

3件のコメント


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  2. […] 【コラム】巷で話題(?)のSIMロック解除を実行してみたとしてドコモ Xperia Z1 fのSIMロック解除を考察しました。 […]


  3. IMEIによるフィルタリングって流入を制限することはできても、流出をふせぐ手段にはならないと思うんですよ。