展示会終了後にアップされる開発者に聞くシリーズ、ケータイwatchの記事が「Xperia XZ Premium」「Xperia Touch」開発担当者に聞く製品コンセプトと狙いとして公開されています。
【Mobile World Congress 2017】 「Xperia XZ Premium」「Xperia Touch」開発担当者に聞く製品コンセプトと狙い
この記事ではジャーナリスト 法林岳之氏によるインタビューはユーザとしていろいろ気になることをかなり突っ込んで聞いてくれているのが印象的です。
そして今回はその内容からいろいろ察していきたいと思います。
「フラッグシップ」の発言は無かった
Xperia XZ Premium、たまたま新しいメモリ積層型イメージセンサ(カメラセンサー)ができたのでいち早くXperiaに載せました、的なトーンの発言です。そして国によっては継続してXperia XZを販売し続ける、と。
ユーザとしては嬉しいことですが、やはり下半期に(Xperia XZの)後継モデル、真のフラッグシップが控えているんだな、と思いました。
位置づけとしてはXperia XZの高機能(大幅マイナーチェンジ)版、と思ったほうが良いのかもしれません。Xperia XとXperia X Performanceの関係とでもいったほうが分かりやすい??
また、「フラッグシップ」という言葉、この一言が独り歩きしてしまって今後の製品の位置づけやコンセプトが正しく理解してもらえなくなる懸念があるのでしょう、たぶんですが今後は使われないんじゃないかとも思いました。
Xperia XZsの位置づけ
新しい機能を実現したMotionEyeというカメラがXperia XZ Premiumで実現できました。これをXperia XZを求めるユーザーにご提供したいということから、Xperia XZsというモデルが企画されました。
この一文を読む限り、Xperia XZとXperia XZ Premiumを望む層は違う、と読み取れます。確かにXperia XZ Premiumはチップセットも現時点で最新最高性能であるSnapdragon 835を搭載しますが、Xperia XZsは現行Xperia XZと同じSnapdragon 820です。
しかしXperia XZは「最上位モデル」という表現で当時、といってもたった数ヶ月前の最新最高性能のチップセットであり決して廉価チップセットではありません。
そんなXperia XZsですが、最上位モデルと同じカメラセンサーを採用している意義は大きいです。「最高性能は求めないけど新しいカメラは欲しいよね」という層に対しては大いにアピールできると思います。
もっとも、ソニーモバイルのミスとはいえ【XZs】公式画像から国内3大キャリアに投入される2017年Xperiaは「Xperia XZs」で確定か?で考察しましたとおり、auに向けてXperia XZsが投入される可能性が高く、そうなるとソフトバンクにもドコモにも採用される可能性が高いです。
ドコモはこれまでもXperia Z5で標準モデル以外に高機能版Xperia Z5 Premiumや小型版Xperia Z5 Compactを販売してきた経緯もありますので、今回も同じようにドコモではXperia XZ PremiumとXperia XZsが投入されるんじゃないかと思っています。
今やXperiaも3大キャリアモデルは一括で10万円近くする高価格製品です。Xperia XZ Premiumはこれまでの最高価格となる可能性もある中、従来版チップセットを使ってコストダウンしたXperia XZsが少しでも安価に提供できるXperiaとなれば、次回更新では格安SIMにしよう!と思っているユーザの引き止めができるかもしれません。
Xperia Xが「無かったこと」にされた
今回のインタビュー記事でXperia Xが「無かったこと」にされています。最廉価の大型モデルXperia XA Ultraがアジア圏を中心に売れているため、後継モデルXperia XA1 / XA1 Ultraを開発した、とはありますが、欧州向けとしていたXperia Xについて一切触れられていません。
やはり売れなかったのでしょう。。。
よって従来版チップセットを用いたXperia XZsがXperia Xの後継と位置づけられ、欧州を含む全世界向けに販売を計画してるのかな、と思いました。
調達するチップセットをワールドワイドで統一することで調達コストも下がる=販売価格も(若干)下がることに期待したいところです。
格安SIM市場への参入は?
これまでインタビュアーが聞かなかっただけかもしれませんが、今回は格安SIM市場に向けた質疑応答もあります。
日本市場にも拡がるのかどうかを注視している状況にあるというのがひとつの答えですね。ただ、将来的に国内市場へのSIMフリー端末の投入がまったくないという状況ではないということになります。
とても含みをもたせた発言です。
正直「今ごろ注視してるとか遅くない?」と思いますが、これまで検討しているのかしてないのかも分からない状況だったのが、注視してる(=参入の機会を窺っている)という発言を引き出せたのは非常に大きな情報だと思っています。
ただ、結論として「出さない」となることも十分あると思うので、ぬか喜びはしないほうが賢明です。
まとめ
これまでの「開発者に聞く」は機構的な話のときについたタイトルで、今回のインタビュー記事は企画統括部長に対するものですので、全体概況や製品戦略の話が中心です。
でも一番知りたい部分が垣間見えたのが個人的にも嬉しい記事でした。
ぜひ読んでみてください。