突如として登場した感のある「SONY Z Ultra Google Play Edition」(以下 GPEと略します)。ソニーのリーク防止令やさまざまな対策が功を奏した結果でしょうか。今までがリークされすぎてしまって、正式発表前にほぼすべての情報が漏れ聞こえてきてしまうより、こういう形のほうがワクワク感があるので良いと思います。
既にSOL24としてauから年始早々に、またソニーからWi-Fi版が発売されそうなXperia Z Ultra、既にグローバル版として発売されているC6833(3G版はC6802)と合わせて、これでZ Ultraは4つの選択肢ができました。(ドコモ版は幻になってしまってとても残念)
各々の特徴をまとめてみたいと思います。
※残念ながらGoogle Play Edition版は日本から購入することはできません。。。購入にはかなり高いハードルを超える必要があるようです。
https://play.google.com/store/devices/details?id=sony_z_ultra
目次
ホントにこの流れは唐突だったのか
ソニーは以前からAOSP(Android Open Source Project=メーカーの独自色を無くした「素のAndroid」)への参画を表明していて2012年9月にはXperia S(LT26i)をベースにAOSPベースのソースコードを公開、そして11月にはこんな動画を披露しています。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=2UnydjgfonA[/youtube]
以降継続してAOSP化に取り組み、2013年4月にはXperia Z(C6603)をベースとしたAOSP版の開発に着手を宣言するとともに、実際に動作しているデモ動画も公開してきました。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=74_1nB_Z1Hw[/youtube]
そして今回のGoogle Play Edition(GPE)版の発売に至ったわけです。でもまさかXperia Z Ultraがベースとなるとは思ってなかったので、個人的にはかなり衝撃的なニュースでした。
Google Play Edition? NEXUSじゃないの??
今回のGPE版、その名の通りGoogle Playで購入できますが、リファレンスモデル名称である「NEXUS」ではありません。あくまで「Google Play Edition」なのです。
しかもこのZ Ultraは「Xperia Z Ultra」ではなく「Sony Z Ultra」なのです。
過去Google Play EditionとしてリリースされているのはGalaxy S4 Google Play EditionとHTC One Google Play Editionの2製品でした。今回このSony Z UltraとあわせてLG G Pad 8.3 Google Play Editionが加わり、合計4製品となりました。(よね?)
この2つの差はGoogleがFactory Imageを公開するのがNEXUSシリーズ、製造メーカーが提供するのがGoogle Play Editionである、というように理解しています。(違ってたらご指摘ください。ちょっと自信なしです)
このFactory Imageがいつでも落とせる=異なるバージョンのOSを行ったり来たりできます。さすがリファレンス機(開発者向け)です。
Xperiaでいうとソニー公式のFlash tool(Emma)がそれに該当します。
またXperiaにはソニー非公式ではありますが、おなじみのFlashtoolもあります。(公式じゃないですし純粋なイメージ(img)ファイルをダウンロードしFastbootコマンドでflashする(ROM焼き)のでないので全く同じではないですが)
これらのことを踏まえると、NEXUSかGPEかは実は大きな差があると思っています。常に最新のAndroid OSが提供される点では同じかもしれませんが、バージョンアップではGoogleが直接提供するアップデートよりメーカーでの検証をしたり手続き的に考えると多少リリース時期が遅れるかもしれないです。(現にGalaxy S4の4.4⇒4.4.2はNEXUSより1週間程度遅かった)
なおSUS(Sony Update Service)は2013.12.15現在、GPE版はSUSには上がっていませんでした。まぁこのZ UltraはXperiaではありませんからね。。。そうするとおなじみのFlashtoolも使えませんが…
余談となりますが、NEXUSスマートフォンは日本ではドコモから「Galaxy Nexus(SC-04D)」として初めて発売されましたが、ご存知の通りドコモの意向で世に言う「NEXUSのリリーススピード」とは全く違う動きとなり、「ただのサムスン製のAndroidスマートフォン」でしかありませんでしたね。。。
またGalaxy NexusにはAndroid4.4(Kitkat)は提供されませんでした。これはGoogleが公式に「通常端末をアップデートする 18 か月のアップデート期間の適用外になるため」です。
これを見る限り、Sony Z Ultraも今後18ヶ月(2015年6月まで)は最新OSが提供されることになります。このときAndroid OSはどこまで進化しているのでしょう。
XperiaとGPE版Z Ultraの違い
基本的なスペックはXperia Z Ultraと変わりません。
なお、GPE版Z UltraはグローバルLTE版(C6806)をベースとしたモデルです。Z UltraのグローバルLTEモデルは2製品あり、対応周波数帯が異なるC6833とC6806があります。
対応周波数(LTE部分のみ) | バウチャー | |
C6806 | LTE Band 1(2.1GHz), 2(1.9Ghz), 4(1.7GHz), 5(850MHz), 7(2.6GHz), 8(900MHz), 17(700MHz) |
WhitePaper |
C6833 | LTE Band 1(2.1GHz), 2(1.9Ghz), 3(1.8GHz), 4(1.7GHz), 5(850MHz), 7(2.6GHz), 8(900MHz), 20(800MHz) |
WhitePaper |
日本で使用するにはBand1(2.1GHz)[ドコモ・KDDI・SB] ,3(1.8GHz)[ドコモ(東名阪)] , 8(900MHz)[SB 2014.4~], 18(800MHz)[KDDI], 19(800MHz)[ドコモ] , 21(1.5GHz)[ドコモ]となります。
参考:Long Term Evolution – Wikipedia
ソニーが公開している動画を中心に確認してみました。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Q9heYQxZ-1g[/youtube]
外観の差異。本来リアパネル最下部にある「XPERIA」ロゴがプリントされていません。このZ UltraはXperiaではないんだなぁ、と。でもGoogleロゴがない。
Xperiaネームの付かないXperiaはこれで2台目。ちなみに1台目はイー・モバイルから発売されていたSony Ericsson mini(S51SE)。
ハコには右上にGoogleのロゴが。
UIは当然ですがピュアAndroid。メーカーの色は皆無。NEXUS4/5/7と同じです。
ロック解除もAOSP。
ホームスクリーンもAOSP
アプリドロワもAOSP
設定画面はもともとあまりXperia色が無いのですね。
カメラもAOSP。プレミアムオートなどソニーアレンジはありません。
ハードウェア的に実装されているトリルミナスディスプレイやX-Realityといった映像技術、ClearAudio+という音響技術は当然このGPE版にも採用されています。この辺りとファブレットという6.44インチサイズであることが他のGoogle端末に比べて差別化されているところではないでしょうか。
既に複数の開封動画がYouTubeにアップされていますが、一番知りたかった「POBoxの搭載可否」の情報は見つけられませんでした。(搭載されていないような気がする。。。)
SOL24は…
SOL24とは10月31日付で公示された技術基準適合証明等を受けた機器の検索で正式に存在が明らかに公表されたモデルです。
日本仕様ということで、期待することはグローバル版にはないおサイフケータイだったりフルセグだったりしますが、それよりも何よりも合法的にこの大画面を使うことができるのが一番のメリットだと思ってたりします^^;
どうしてもグローバルXperiaを日本でおおっぴらに使うことを宣言すると各方面からあれこれ言われてしまう場合がありますが、そういうことを気にしないでいいのは精神衛生上も◯です。
まだ正式発表されていないため、グローバル版とどう違うのかは分かりません。楽しみに待ちたいと思います。
Wi-Fi版Xperia Z Ultra
Xperia Tablet Zのドコモ版SO-03E と ソニー版SGP312JP との関係のような感じで発売されるのでしょうか。
こちらも10月16日に技適を通過しています。こちらから型名は「TS-0010-BV」と判明しましたが製品型番・商品名称は確認できていません。
3G通信はできないですがそれ以外の機能に相違はない(はず)こと、OSアップデートは日本のキャリアの縛りに一切とらわれないグローバル版と同じようなタイミングで提供されるところが大きなメリットでしょうか。
残念ながらカメラはちょっと期待できない感じですが、発色や音の面では非常に優れているのでオフラインでの用途として大画面を活かし、ストレージに保存した動画を見たり、システム手帳の代替として使ったりという感じでしょうか。
(私はモバイル機器は単体で通信できてナンボという考え方なのでオフライン用途が思いつかず、、、)
グローバル版Xperia Z Ultra
Expansysさんからお借りしたC6802を考察しまくり、2ヶ月弱遅れて発売されたLTE版を購入しまして、既に何回も考察しておりますので、レビュー等はそちらをご確認頂ければと思います。
https://xperia-freaks.org/topics/07-2013%E5%B9%B4xperia/xperia-z-ultra/
- 【Z Ultra】Xperia Z Ultraの公式情報、他から見つけたマニア的発見ごと。 -2013.6.26-
- 【Z Ultra】これがSONYのファブレット(Phablet)だ!|Xperia Z Ultraレビュー(外観編) -2013.8.2-
- 【Z Ultra】普段使いしてみたコトと同僚に見せた時の反応まとめ -2013.8.3-
- 【Z Ultra】鉛筆で書けるスケッチアプリを使ってみる -2013.8.3-
- 【Z Ultra】あまりの映像のキレイさとクリアサウンドに完全にやられた -2013.8.3-
- 【Z Ultra】Xperia Zとの違いを探してみた(細かい差異など) -2013.8.4-
- 【Z Ultra】数字で見るXperia Z Ultra -2013.8.4-
- 【Z Ultra】これは「買い」か? Xperia Z Ultraまとめ -2013.8.5-
- 【Z Ultra】やっぱりLTE版を買って良かったと思えた3つのこと -2013.9.23-
- 【Z Ultra】2週間使ってみた率直な感想(と使い勝手向上アプリ) -2013.10.6-
- 【Z Ultra・Z1・Z1 f】充電器は純正に限る!(小ネタ) -2013.11.9-
これまで使ってみて本当に買わなきゃ良かった、、、と思ったことは一度もありません。これまでSO-01Bを所有して以来、個人的に一番気に入っているXperiaです。
本当に買ってよかった!!と思える端末です。
しかもこのXperia Z Ultraはこの12月中にAndroid4.3へ、1月以降にはAndroid4.4へのアップデートが決まっています。
On Jelly Bean 4.3 & Kit Kat 4.4…
気になるお値段
7インチタブレットではNexus7の16GBモデルが27,800円、Nexus5は16GBモデルで39,800円です。もちろんこれらNexusとは機能やサイズが違うので一概に比較はできませんが、Sony Z Ultraは$649(約67,000円)です。ですが冒頭に書いたとおり、Sony Z Ultraを日本から直接購入することはできません。
購入には2つ方法があります。
- 自分で手配する
IPを偽装してアメリカからGoogle Playにアクセスしているようにし、転送業者を使って日本に輸入してくるやり方、こちらは転送業者のマージン分が乗りますので端末代金の$649だけでは済みません。
このやり方はHelp Point: Nexus4を米国google play storeで買う方法。完全版。あたりが詳しそうです。
あとは購入できる環境にある方(アメリカ在住の友人や共同購入をされている業者さん)を通じて購入することになります。 - 1shopmobileにて購入する
Sony Z Ultra Google Play Edition が商品ラインナップに加わっています。(ミドリネコさん情報ありがとうございます!)
ちょっと高く$769 (日本円で79,300円)です。代行業者を使うと同じくらいになるのでしょうか。。
なお、C6833は発売当初7万円を超えていましたが本日(12/15)現在、49,902円です。
まとめ
とりとめなく書き進めてきてしまいましたが、4つのモデルをまとめると
Sony Z Ultraを選ぶメリット
- ピュアAndroidなUI(ユーザインターフェース:見た目)を使いたい。
(ソニー独自のアプリ群、例えばカメラアプリやXperiaホーム、ウォークマンアプリなどを使わない。)
18ヶ月は最新Android OSを使い続けられることをメリットと感じられる方
グローバル版を選ぶメリット
- やっぱりXperiaのUIが好き
- ソニーの映像技術をフルに発揮する、ソニーの、またXperiaの世界観を大事にしたい
- しかしAndroidが持つ本来の自由度を満喫しつつ
- 安いほうがいい
au版SOL24を選ぶメリット
- キャリアの 保証も充実
- 誰に咎められること無く安心して使いたい方
- 常に最新OSを使わなくても別に気にならない
- (ガラスマ機能を使えるなら使えるようにしておきたい) ※正式発表無いのでどこまで実装されるか分かりません
Wi-Fi版を選ぶメリット
- 3G通信が必須ではなくルータやメイン機のテザリングで十分
- できれば最新のAndroid OSを使いたい
という感じでしょうか。
Xperia Z Ultraは3G版が2013年7月に発売となり、既に6ヶ月が経過しようとしています。時期的にはXperia ZとXperia Z1のちょうどその間に発売されていて、XperiaがSony Ericssonからソニーモバイルコミュニケーションズに開発の軸足が移りつつある過渡期のモデルだと思います。
これは意匠の点、UIの点でも両方の良いところを持っていると個人的に思っています。カメラ機能だけはとても残念な感じですが、どちらのモデルをチョイスしてもきっと満足して使える相棒となってくれると思いますよ!