Xperiaに限らず、海外向け(特に中国向け)の製品は「デュアルSIM」モデルが多数発売されています。デュアルSIMとは、その名の通り1台の携帯端末に2枚のSIMカードが使えることを指します。
通常は携帯端末1台につきSIMカード(電話番号が入ったチップ)が1枚のみ使えるところ、2枚入る=1台の携帯端末で2つの電話番号が使えるのです。もちろん様々な制限がありますし、日本では全く使えないため、意味のない機能なのですが。。
Xperiaもアジア圏に向けてデュアルSIMモデルは2012年頃から開始し、対応モデルはミドルレンジ~エントリーモデルが中心でしたが、Xperia Z3で初めてハイエンドモデルにもデュアルSIMモデルをラインナップしました。考察ブログではXperia Z3+(日本ではZ4として発売しているモデルの海外版)のデュアルSIM版「Xperia Z3+ Dual」をレビューしています。
今回はイマドキのデュアルSIMの動き、制限事項などをまとめて考察していきます。
Xperia デュアルSIMモデルの基本的な動作
冒頭にも書きましたが、デュアルSIMモデルとは1台の携帯端末で2枚のSIMカード(=電話番号が2つ)が使えるモデルを指します。
これは非常に便利じゃないか!!と思うのですが、電話用にドコモSIM+MVNOデータ通信SIMのように同時に2枚のSIMを使うことができません。通話用SIMとデータ通信用SIMを挿入しておいても、どちらかしか一方しか使えません。(片方はGSM(2G)である必要があります)
世の中にはデュアルSIMモデルでは2枚ともWCDMAで使えるコヴィア社製 FLEAZ F4s なんて製品もありますが、まだ少数派。XperiaブロガーイベントでもWCDMAデュアルSIMモデルは出ないのか聞いたことありますが、チップセットが対応していない以上できないということでした。
デュアルSIMモデルの設定はこんな感じ
※今回はAndroid5.0(Lollipop)なXperia C5 Ultra Dual(E5563)をベースに進めます。
SIMを2枚差してみた
手持ちのドコモSIM(音声契約)とKDDI系MVNOのmineo(データ契約)を使ってみました。
デュアルSIMモデルはステータスバーにも2枚のSIMの電波状態を示す表示がされます。SIM1にはドコモ音声SIM、SIM2にはmineoを入れています。SIM2はアンテナピクトが立っていません。(この理由は後述します)
SIMの切り替えは設定メニューから行います。設定メニューに「デュアルSIM設定」項目があります。
またAPN設定はいつもの設定>その他の設定>モバイルネットワークから行います。デュアルSIMモデルの場合、SIM1とSIM2がタブになっていて、それぞれ設定していきます。
SIM2にはmineoのSIMを使ったときにアンテナピクトが立たないのは、こちらの設定で「優先ネットワークタイプ」の設定項目にLTE Onlyが無いこと、SIM1でWCDMA(LTE)に接続している状態だとSIM2はGSM(2G網)しか利用できないため、アンテナピクトが立たないのだと思います。
(SIM1にLTE/WCDMAを選択するとSIM2はこのように強制的に「GSMのみ」になります)
試しにSIM2にmineoのAPN設定し、優先ネットワークをLTE/WCDMA/GSM(自動)にしてみると、このようなメッセージが出て、今度はSIM1がGSMのみになります。
mineoはKDDIのLTEしか使えませんので、この状態で電話アプリのダイヤルパッドから#*#*4636(info)*#*#で優先ネットワークをLTE Onlyにしようとしましたが、GSMのみ以外選択できません。
試しにSIM1と2を入れ替えて4636したところ、LTE Onlyが選択できアンテナピクトもLTE表示され通信できましたので、ダイヤルパッドから優先ネットワーク設定できるのはSIM1に対してのみなのですね。(知らなかった)
ちなみに電話アプリにはこのようにデュアルSIM設定で自分で名づけた名称が表示されます。そして電話をかけるときにどちらのSIM(番号)で発信するかを選択するようです。(日本はGSM網は無いので、たとえLTE/WCDMAのSIMが2枚入っていても発信できるのはモバイルネットワーク設定でWCDMAを選択している片側のみです)
#ドコモSIM(音声)+ドコモ系MVNO SIM(音声)の場合、発信前に「手動で切り替え」すればどちらも1台のXperiaで通話ができるような気がしてきました!(がドコモ音声+MVNOデータはダメです)
電話アプリでは2枚とも認識しているだけに、もどかしいです。。。
これまでデュアルSIMの動きについては「どうせ日本じゃ使えないんでしょう?」と思ってほぼスルーしてきまして、今回はじめて2枚挿ししてみたくらい全く知らない機能でしたが、なんか工夫すれば意外に遊べそうな気がしてきてしまいました。
もう少し色々検証(という名の遊び)をしていきたいと思います。