久しぶりに考察したらいろいろ反響を頂き嬉しくなりました。調子に乗ってもう少しだけ書いてみます^^
今回は購入を見送ったXperia1。
個人的に興味はもちろんありましたが、今のXperia XZ3がかなり気に入ってるので「これほしい!」となりませんでした。メディアでの前評判はかなり良かったように感じましたが、果たしてXperia1は売れてる(てた)のか?を3つの観点で考察してみます。
まずは7月30日に開催された業績説明会。対象期間は4/1-6/30、Xperia1の海外発売も6月に入ってからで、国内発売は6/14ですからこの決算期にはXperia1の影響は大きく出ていないと想定していますが、果たしてどういう結果だったのでしょう。
目次
ソニー第1四半期 業績説明会の中身
今年度から「モバイル・コミュニケーション分野」は「ホームエンタテインメント&サウンド分野」、「イメージング・プロダクツ&ソリューション分野」の3分野を集約し『エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野』となったため、モバイル分野単体の業績が見えづらくなっています。
モバイル分野だけがソニーの中でも唯一の赤字部門となってしまった今、セグメント変更してまでもモバイル事業を売却せず保持しようというのがソニーの方針なのでしょう。5Gにかけるソニーの意気込みが感じられます。
が、、、
残念ながら前年同期比で842億円の大幅減収、原因はXperiaだけではありませんが販売台数の減少が主要因でした。
決算短信資料(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/19q1_sony.pdf)を見てみると製品カテゴリー別売上高内訳が掲載されていて、モバイル・コミュニケーション分野だけでも298億円の減収となっていました。しかしテレビ(BRAVIA)も相当ヤバいですね・・・(αも相当苦戦しているのも今回初めて知りましたが。。)
ただし、この決算期(4-6月)はXperia1が市場に投入された6月しか含んでいませんので第2四半期(7-9月期、10月末発表予定)でどのくらい盛り返せているかを注視したいと思います。
Xperia1の売れ行きを確認してみる
BCN社が提供する全国の家電量販店やAmazonなどのECサイトから収集したPOSデータが毎週、ITmediaサイトにおいて公開されています。このランキングで6月第2週~4週の販売ランキングを確認してみると
上記表は 6月10日~6月16日 / 6月17日~6月23日 /6月24日~6月30日 のBCN総合ランキング。
初動は良くても週を追うごとに販売数が減少していくのはいつものことですが、3週目には早くも総合ランキングから脱落・・・ここのところのXperiaフラッグシップはこんな感じです。そして(これもいつものことですが)au Xperiaは新製品発売で旧モデル(Xperia XZ3)の価格が下がるため、比較的長い期間ランキングに(今も)登場しています。
今回の春夏モデルではドコモから廉価版Xperia(Xperia Ace)が登場したため、最新の総合ランキング(7月29日~8月4日)でも2機種ともに総合ランキングに残っていますので、モバイル・コミュニケーション分野も業績的には良くなっていると思いたい・・・
市場調査会社によるメーカー別シェアでついに圏外(その他)へ
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、国内の従来型携帯電話およびスマートフォン端末の2019年第2四半期(4~6月)の出荷台数を発表しました。
これまで通年でも四半期でもソニー(Sony)という文字が必ず記載されていた(順位はどんどん落ちていきましたが)のですが、ついに2019年第2四半期(2019年4-6月期)においてSonyという表記が消えてしまいました・・・
といってもこのグラフは5つメーカー以外は「Others」に含まれるだけで、いきなりゼロになったわけではなく、富士通の7.7%を下回ったということになります。2019年第1四半期(1-3月)のSonyのシェアは「8.0%」でしたので、更に下がったことに。
今回iDC Japanから発表された国内スマートフォン出荷台数ベンダー別シェアを2017年Xperia(Xperia XZ1~XZ Premiumの頃)からグラフにしてみました。
Appleのダントツ、シャープは安定の2位、あとは玉石混交という具合ですので、Xperia1、Xperia Aceがぼちぼち売れていれば、第3四半期(7-9月)にはSonyの文字は復活すると思います。(復活してほしい)
ちなみにXperiaが登場した2010年からの通年のシェアもグラフにしてみました。あんなに売れていたXperia Z~Z3シリーズ(2013-2014年)の通年シェアは15.9%、14.2%で、iPhoneに次いで高シェアを獲得していました。
当時を知っている身としては圏外になってしまったことは本当に悲しみしかありません。。
2011年頃はNEC/Casio:MediasやPanasonic:ELUGAが普通にシェア争いをしていて、Xperiaも動作ガクガクでAndroid=ダメなスマホという烙印を押されてしまってましたよね。その当時の感想を今も根強く持ってる方もいらっしゃるようです。
Xperia1のプロモーションについて
Xperia1はカメラメーカーとしてのソニーが本気を出した製品(ITmediaモバイル) などメディアへの露出、TVCM、ショッピングモールなどで開催されるタッチアンドトライツアーと従来とはあまり変わらないプロモーション内容だったように思います。
ブロガーイベントも復活しましたが、販売ランキングからはその効果は感じられなかった・・・
今回この考察を書くに当たり、先のブロガーイベントのまとめサイトを探したのですが、残念ながら見つけられず。参加者のブログはすぐ見つけられましたが・・・
浅はかな素人考えではありますがモバイル・コミュニケーション分野の収益が厳しい中、限られた予算でプロモーションされたと思います。TVCMもXZ3は3パターン作っていたのにXperia1は1種類のみです。人も予算も削られ、大変なのも分かりますが、例えばこういうこともできたんじゃないでのしょうか。
ブロガーイベント参加者のブログをソニーモバイルのサイトで紹介する、などは比較的安価にできる施策だと想うんですけど(著作権のこととかもありますが)、なんか「ブロガーイベントやってやったよ!」というだけに見えて、なんのために開催したの??という疑問しか残りませんでした。
「じゃぁ次はお前がやってみろ!!」って中の人に怒られそうですが、、
Xperia1の”売り”について個人的に思うこと
正直スマートフォンでできること、したいことはどの製品を利用しても実現できるようになりました。iPhoneはできてXperia(Android)はできないこと、ほぼありません。
前回のPOBoxじゃないですけど細かい機能差はありますができることに差はありません。(360°カメラが使えるiPhoneはちょっと羨ましいと思いますし、RAW形式で写真保存できるGoogle Pixel3シリーズも羨ましい)
そんな中でXperiaがXperiaであるため、プレミアムなXperiaであるためにどうすればいいのか、、、
公式サイトを見ると、アピールされているのは
- 21:9マルチウィンドウ
- トリプルレンズカメラ
- デザイン
の3点です。しかし縦長ディスプレイや複数レンズカメラは他社の後追いですので”Xperiaならでは”という意味では「瞳AF」そして「Chinema Pro」になるんじゃないかと思います。
スマートフォンで撮影する写真は子供やペットを撮る方も多いですので、瞳AFは大きなウリになるでしょう、あまりクローズアップされませんが・・・
また高感度撮影は標準画角のみだったりとトリプルレンズはまだまだ万能レンズではないようです。
Chinema Pro。ニーズはあるのか?
「ソニーの映画撮影用プロフェッショナルカメラ開発チームが画作り、操作画面を監修したシネマ撮影専用機能「Cinema Pro」を搭載。映画さながらの画作り・質感・色表現を楽しめます。」とありますが、スマートフォンに映画撮影用の機能はコンシューマ機に必要でしょうか?
それだけの高いスペックを持つスマートフォンです!ということなのは分かります。プレミアム感あるブランドイメージも大切なのも分かりますが「お高いんでしょう?」ってついに10万円超えました。
回線契約と端末のセット販売から割引施策も無くなった今、以前より買いづらくなっている中で、この機能を削って少しでも安価にプレミアムなXperiaを提供したほうが売れたんじゃないかと思ってしまいます。
他社への差別化という点では十分すぎると思いますが、どれだけの人に響くのでしょう。
それならカメラ×Movie Creatorの組み合わせでできることを増やす(アルバムアプリとMovie Creatorのさらなる融合など)とか、カメラを取り巻く環境の充実を図るとか、様々な観点で今ある資産の有効活用で新しいことに挑んで欲しいと思います。
例えばMediaScapeの復活、これは脱Xperiaした方にも響くと思いますよ、真面目に。
Xperiaの中の人、良くも悪くも技術屋集団なんだなと改めて思いました。
Xperia1を見送ったワケ(まとめ)
Xperia XZ3からは画面サイズ(比率)が変わり2画面が使いやすくなったこと、トリプルレンズで撮影域のバリエーションが広がったこと、デザインが変わったこと(XZ3はサイドが丸みを帯びすぎていて画面の端の表示が歪む場面もある)から購入対象として一瞬検討はしましたが、結局「高いよね」と「2画面使うか?」と「結局RAW保存できないんだ、普段一眼持ち歩いてるからなー」と思って見合わせました。
Xperiaファンとしてはもっとたくさん売れて欲しいのはヤマヤマですが、自分でこれがいいよ!!とアピールしたい機能が少ないとなかなか、ね。。。
メディアは提灯記事書かざるを得ないかもですが考察ブログは個人のブログですし、ここに書いたことはわたし個人の考えなので好き勝手書いてますが。
Xperia1が発売されて2ヶ月ちょっとですが、もう新モデルのウワサも聞こえてきています。来月ベルリンで開催されるIFA2019(国際コンシューマ・エレクトロニクス展)では新しいXperiaが複数発表されるようです。
次期XperiaはXperia1で搭載が見送られたワイヤレス給電(Qi)が復活するくらいの基本的にはマイナーチェンジ(と新たな小型モデルか?)なんだと思いますが、楽しみに待ちたいと思います。
RAW形式は、Adobeのソフトで標準レンズのみですが、利用可能のようです。
最近のスマホはエントリーも含めゲームやらない、カメラに過度の画質を求めないのであれば、
どれでも必要最低限の快適性を超えてるんですよね。
となるとマイナス点が少ないものを選択することになるのだけど、
Xシリーズ以降のXperiaって他社と比べて重いとか分厚いとかやたら上下のベゼルが分厚いとか目につくマイナス点がとにかく多いんですよね。
他社との違いで差別化するにしても最低限クリアしてないと選択肢にすら入らないポイントを押さえられていないというのが衰退の一番の原因だと思います。
機能的な差異はほとんどなくても、もはやiPhoneとAndroidは別物と考えた方が良いでしょう。
そして今Androidの中で売り上げを左右しているのは価格だと思います。
私個人的には尖ったスマホは大好物ですが、
世間一般的には価格ももかなり重視されていますよね。
ドコモwith契約のためだけに買ったAQUOSsense2ですが、
プレミアム感は無くても普段使いで全く困らない良作だったのには驚きました。
低価格というだけで目を引きますし売れるのもわかります。
XperiaXP使いだった私にはXperiaAceのホールド感も予想でき惹かれるものがあります。
しかしやはりミッドレンジとして見ても高いです。
10万超えのXPERIA1は言うまでもないでしょう。
Xperiaの良さを見てもらうためにもエントリーモデルを用意してもいいのでは?
と携帯ショップをのぞくたびに最近は考えています。