【コラム】いま最強のSIMフリースマートフォンは何かを考えてみた結果

量販店に行くとキャリアモデルを扱うブース以外に「SIMフリースマートフォン」というコーナーがあるお店も増えてきたことは周知の通り。安いモデルは1万円台から選べるようになっています。

今年後半からほんとうに様々なSIMフリースマートフォンが世の中に出てきましたが、そんな中で個人的に最強と思える製品がありまして、今回はなぜ最強なのか？をまとめてみました。

 

 

何を以って最強とするか

スペック、機能、電池持ち、デザイン、落としても壊れない、、人によって最強の定義が違いますが、今回は「対応周波数」という観点で考えてみました。

というのも、私個人的なことでもありますがメインの回線は「au」であり、それ以外にドコモ、ドコモ系MVNO（IIJmio・mineo）、au系MVNO（mineo）があります。これらを1台のスマートフォンで使おうとしても残念ながらauとドコモ・ソフトバンクでは電波方式が違うため、通話に関する互換性がなく、auで使える端末、ドコモで使える端末ということを意識して複数台を持ち歩くことになります。

しかも、メインのスマートフォンはXperia Z5（SOV32）です。Xperia Z5はauのVoLTEモデル。au VoLTEモデルは通話もデータ通信もLTE網「のみ」を利用するため、これまでのXperia（Z3以前）にVoLTE専用SIMを挿しても通話はもちろんデータ通信も不可。Xperia Z3にVoLTE SIMを挿しても通話・通信共にNG。要は予備機として使えるXperiaはXperia Z4だけになります。これが不便極まりない！！

ドコモスマートフォンの場合はVoLTE/3Gの互換性あるため、比較的古いXperiaでもあれば通話も通信もできます。（FOMA時代のモデルはたぶんNGですが）

 

 

形は同じでも対応周波数が違うのです

2015年5月以降に発売されたスマートフォンは条件を満たせばSIMロックを解除しマルチキャリア対応できるじゃないの！Xperia Z4とかなら全部使えるじゃん！！という方もいるでしょう。確かにその通りですが、実は各キャリアモデルで対応周波数が違うのです。

ドコモ Xperia Z4	SO-03G	3G：Band Ⅰ(2100MHz)・Ⅵ（800MHz）
		LTE：BAND 1（2.1GHz）・ 3（1.7GHz）・19（800MHz）・21（1.5GHz）・28（700MHz）
		https://www.nttdocomo.co.jp/support/procedure/simcard/unlock_dcm/201505/band/
au Xperia Z4	SOV31	3G：Band Ⅰ(2100MHz)
		LTE：BAND 1（2.1GHz）・ 3（1.7GHz）・18/26（800MHz）・28（700MHz）
		https://cs.kddi.com/support/simcard/compatible_network/
ソフトバンク Xperia Z4	402SO	3G：Band Ⅰ(2100MHz)・Ⅷ（900MHz）
		LTE：BAND 1（2.1GHz）・ 3（1.7GHz）・8（900MHz）・41（2.5GHz）
		http://cdn.softbank.jp/mobile/set/common/pdf/support/usim/unlock_procedure/frequency-band-list.pdf
（参考） Xperia Z3+	E6553	3G：Band Ⅰ(2.1GHz)・Ⅱ（1900MHz）・Ⅴ（850MHz）・Ⅷ（900MHz）
		LTE：BAND 1（2.1GHz）・ 2・3（1.7GHz）・4・5・7・8（900MHz）・12・17・20・28（700MHz）・40
		http://dl-developer.sonymobile.com/documentation/whitepapers/Xperia_Z3+_E6553_WP_2.pdf

au Xperia Z4は自社で対応していないLTE BAND 3に対応しているところが興味深いですが、このように同じ形をしていても周波数が違うため、SIMロックを解除してもそのスマートフォンが最適な周波数で使えるか？といえば万全ではありません。自社LTEの網なら5つのバンドに対応するけど他社で使うと2つだけよってことです。要は電波の弱い場所が発生する可能性があるということ。

（Xperia Z4で纏めているのは最速で12/8にau Xperia Z4のSIMロック解除可能になるためです。Xperia Z5も同じように対応周波数が各キャリアごとに異なります。記載したURLでXperia Z5の対応状況も確認できます）

 

Xperia Z4。全く同一モデルで搭載されるSoCもQualcom社の同一のチップです。それなにの対応周波数が違うのは、メーカーが各キャリア向けに変更しているだけなのです。（実際にXperia Z Ultra（C6833）をお勝手チューニングしてドコモのプラスエリア対応させた事があります。）

今でもそのやり方が通用するのか分からないのとやり方をすっかり忘れたので割愛しますが。。。

 

そんな中で、真のマルチキャリア対応するスマートフォンがあるのです。au VoLTEにも対応できますし、auの3Gでも使える、もちろんドコモ・ドコモ系MVNO、ソフトバンクにも完全対応可能なスマートフォンです。

 

 

スーパースマートフォンはこれだ！

ずるい！と言われるかもしれませんが、これが正真正銘、現時点で最強なスマートフォンです。キャリア版SIMロック解除モデル、もしくはアップルストアで購入できるSIMフリーモデルです。

iPhoneも仕向地によって型番を分けて対応周波数も異なります。日本で販売しているiPhone（今回は6sで考察します）はA1688というモデルで、Apple社の技術仕様ページを見ると

• LTE（バンド1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、27、28、29）
• TD-LTE（バンド38、39、40、41）
• TD-SCDMA 1,900（F）、2,000（A）
• CDMA EV-DO Rev. A（800、1,700/2,100、1,900、2,100MHz）：au 3G
• UMTS/HSPA+/DC-HSDPA（850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz）：ドコモ・ソフトバンク 3G
• GSM/EDGE（850、900、1,800、1,900MHz）

と日本の各キャリアのいわゆるプラチナバンドをすべて網羅し、かつ3G網もWCDMA・CDMA2000とも対応しています。ここまで広範囲に網羅しているのはすごい！と思いました。

 

これに気づいたわたくし、翌日にはAppleストアでiPhone 6s 64GBを手にしてから、予備機として持ち歩いていたXperiaは無くなりました。だってiPhone 6sがあれば十分なんですもの。au VoLTEのSIMでもmineoでもドコモでもIIJmioでもSIMを挿してプロファイル（AndroidでいうAPN）だけインストールすれば、いつも見てるTwitterとFacebookさえあれば充電できる環境にいくまでの間だけなら全く問題なく快適に使えますし。

複数のプロファイルを持てないこと、文字入力が本当にイライラすること、おサイフケータイ問題があるため本当にサブ機でしか無いのですが、この万能さを知ってしまうと、最強の予備機という称号を与えざるを得ません。

 

おサイフケータイ対応したりしたらあっさりと乗り換えてしまいそうなくらい、実はけっこう気に入ってます(^^)

予備機という値段ではないですが、不要になっても高く売れそうだという点も結構良い所だな、なんて思ってます。

 

Xperiaも1モデルで対応周波数が増えるともっと魅力が出るのにな、むやみにサイズを増やすのではなくて、、と思いますがなかなか難しいものなのでしょうかね。