本当に日本ではフラッグシップしか売れないのでしょうか。ソニーは市場を読み間違えているんじゃないの?と思っています、以前から。数日前の日経新聞でこんな記事が出たのはご存知でしょうか?
スマホ販売 違法例示す 独禁法巡り指針 分割払いの総額指定や中古流通制限 公取委、参入阻む慣行是正
記事によれば、メーカー側が一括/分割問わず価格(支払総額)を決めるのは独禁法に抵触、さらに月々の通信料金から割り引くのは格安SIM事業者の参入を阻むと公取委の指摘が入ることで、これまで総務省が躍起になって0円販売を阻止した動きに加え、今後スマートフォンの販売方法は大きく変わっていくことになりそう、というもの。
Xperiaは一度だけMVNO市場に型落ちモデル「Xperia J1 Compact」を投入しましたが、型落ちなのに6万円近い価格で市場をリードすることはできませんでした。
代わりにarrows M02を筆頭にAQUOSなど、キャリアにも納入している国内メーカー、HUAWEIやASUSなどのグローバルプレイヤーがMVNOスマートフォンの主役になりました。対するXperiaは指を咥えて見ているだけ・・・Xperia=高級スマートフォンだからといって、これらの動きを黙殺するならば、、、悲しい結果になりそうです。
もう市場にはXperiaの名前は十分に知れ渡りました。だから今度はユーザ側に立って、安価なのに高級感ある中核モデルがあることをもっと日本でもアピールすべきです。あ、まずは総務省の技術適合証明を取ってもらわないとですけれども・・・(=現時点では海外版Xperia Xシリーズ全てが電波法違反になります)
前置きが長くなりましたが、今回はExpansysさんからお借りしたXperia Xシリーズの普及モデル「Xperia X Dual(F5122)をレビューしていきます。
パッと見はXperia X Performanceと見分けがつかない
これ、同じ色だったらどっちがXperia XかX Performanceか分からないと思います。そのくらいそっくりなんです。ホワイトとブラックに限ってはXperia X Performanceのリアパネルはヘアライン加工がされているところ、Xperia Xはマット仕上げなので区別はつきますが、ライムゴールド、ローズゴールドだったとしたら全く同じだと思います。
そして、側面から見てもSIMのキャップのサイズが違うこと以外はほぼ同等です。「Xperia X」のサイズは69.4×142.7×7.9mm、重さ約153gに対し、「Xperia X Performance」は70.4×143.7×8.7mm、重さ約164g。
Xperia Xのほうが1mmずつ縦横が小さく、厚みは0.8mm薄く11g軽いという、もう誤差というレベルです。
ボタンの配置はもちろん同じ。指紋認証機能もあります。
フロントのガラスだって、2.5Dラウンドエッジ加工されていて本当に2モデル出す意味あったのか?という差です。
キャップレスイヤフォンジャック、キャップレスmicroUSBコネクタも同じ。側面のデザイン、接合部の仕様も全く同じデザイン処理です。素材もアルミ合金です。
これ以外には画面サイズ・画面解像度も5インチフルHDで同じ、カメラ画素も2300万画素で同じ、そしてXperia Xシリーズに初搭載となった「先読みオートフォーカス」も搭載、バッテリー制御技術も搭載されていて、更に2モデル出した意味が分からなくなってきてしまいます。
そして、日本語入力「POBox Plus」も搭載されています。(Xperia XAには未搭載)
じゃあXperia X Performanceと何が違うの?
見た目はほとんど同じ、なのに価格ではフランス国内での販売価格で100€(日本円で11,431円)の差があります。Expansysさんの価格(*)では70,500円に対し58,800円と11,700円の差。 *Dual SIMモデル
この差は大きく2点あります。
- Xperia Xは防水防塵仕様ではない
. - SoCが違う(Snapdragon 650)
非防水なのはちょっと厳しい、、Xperiaといえばずっと防水防塵モデルでしたから。。。しかし見た目は全く同じですし、実際にXperia Xの水没テストを行った結果、問題なかったというエントリーもあります。
Is the Sony Xperia X secretly water resistant?
縦横サイズの1mmと厚みの差は搭載するSoCの違いによるものが大きそうです。Snapdraon 650は「ヘキサコアCPU(最大クロック数 1.8GHz)」を搭載、通信速度はLTE-AdvancedのCategory 7(Cat.7)に対応しています。
あ、LTEのCat.7ということは、最大速度が(下り)301.5Mbps/(上り) 102.0Mbpsということ。Xperia X Performanceが搭載するSnapdragon 820は同じくヘキサコアですが、通信速度はLTE-AdvancedのCategory 10(Cat.10)で、(下り) 452.2Mbps/(上り) 102.0Mbpsとなります。
これがドコモでいう「Premium 4G」という下り375Mbpsに対応を謳えない、、もしかして日本でXperia Xが売れない理由ってそれだけ??
ベンチマークアプリなどで検証をしてもわたしはあまり意味が無いと思ってる人なので計測はしません。体感では全く差を感じることはありません。むしろ軽快かもしれません。
屋外での発熱、しません。動作の突っかかりも感じません。こっちのほうが快適じゃないの?という感想です。別の考察でまとめたいと考えていますが、Xperia X Performance、屋内→屋外に出た時の照度変化が非常に遅いこと、直射日光下で文字入力すると、誤作動起こしまくること、直射日光下で使用したあと、発熱し続けて電池の異常消費が結構な頻度で発生することを考えると、Xperia Xのほうが優秀にも思えてしまいます。
Expansysさんからお借りしたXperia X Dual。デュアルSIMモデルではありますが、先の考察のとおり日本ではシングルSIMとしてしか使えない点が残念ですが、かなり自分の中では好印象でした。
一年前なら日本市場にもフラッグシップモデルを投入し続けるのも分かりますが、こういう状況になった時にフラッグシップモデル=高額なスマートフォンはユーザから避けられることになるでしょう。そうなった時に、Xperiaはどう振る舞うのでしょうね。
個人的にはこれからもXperiaから目が離せません。いつか(かなり遅ればせながら)MVNO向けもしくはキャリア向けにスーパーミドルレンジのXperiaが日本市場に投入されること、切に願います。