最近はお勝手コラムと端末レビューばっかりな考察ブログですが。
ソニーは今後2年以内にローエンド市場から撤退しミドルレンジ~プレミアムなXperiaのみ開発していくという主旨の発言を年始早々してきています。
via 「低価格帯でSONYらしさは発揮できない」 SONY、「廉価版Xperia」から撤退。2年後を目処に – すまほん!!
Sony平井社長、Xperiaスマートフォンのハイエンド志向を鮮明に | リンゲルブルーメン
そんな中、もしかしたら最後の廉価モデルとなるかもしれないXperia L(C2105)をExpansysさんからお借りできましたので、廉価版Xperiaがどれだけそうなのか、ホントにそうなのか?を考察してみます。
過去、エントリーモデルと呼ばれたXperiaたち
X10が発売された2010年当時から「X8」という廉価版モデルが存在していました。
デザインエッセンスなどX10の要素を取り入れつつ、CPUを変更したりしながら低価格化。
その他、X10の小型モデル X10 miniやスライドキーボード付きのX10 mini proなど派生モデルがありました。
ただmini系は廉価版というよりは「小型端末」という目的だったような気がしますけど。
2011年になると、Xperia neoでXperia arcで搭載された「クリアブラックパネル」が非搭載となるなど、廉価版という位置づけ、Xperia rayという小型モデルが発売され、初の防水Xperia activeなど、Xperiaの中でも役割というか用途が明確になってきたのもこの時期のモデルからだと思います。
2012年モデルではNXTシリーズのXperia Uが廉価版、廉価版ながらフローティングタッチという前衛的機能を搭載していたり、2012年後半にはXperia Jというモデルも有りました。こちらもXperia arcのアーク形状を継承されたエントリーモデルです。
このように、エントリーモデルといっても決して機能を削ぎ落とされたモデルではなく、誰が見てもXperiaであることが分かりますし、エントリーモデルであることを感じさせない商品作りをしてることが分かるでしょう。
さてXperia L。
設計自体は2012年モデルXperia Jと同じ背面アーク形状、上下が尖ったデザインの最新モデルです。スペック的な差異を以下にまとめてみます。
Xperia J | Xperia L | |
サイズ | 124.3×61.2×9.2mm | 128.7x65x9.7mm |
重さ | 124g | 137g |
画面サイズ | 4.0inch | 4.3inch |
CPU | MSM7227A 1core 1GHz |
MSM8230 2core 1GHz |
解像度 | 854×480(WVGA) | 854×480(WVGA) |
カメラ | 5M | 8M(Exmor RS) |
スペックはXperia Lのほうがデュアルコアであることからも実用的でしょう。(Jは展示会で一度触れただけで未体験に等しい)
またXperia Lにも2013年モデルの特徴である電源ボタンが採用されています。
外観チェック
今回お借りできたのはRedです。さっそく赤P(LT22i)と並べて色みをチェック。Xperia Pはアルミ筐体なので質感なども合わせてチェック。
遠目に見る限りXperia Pのメタルっぽさが分からない。。。なのでググッと寄ってみました。
ここまで寄るとアルミ塗装されたちょっとザラついた感じが分かるでしょうか。色味はXperia Lのほうがクリアでシャープな赤という感じ。
Xperia Lはリアカバーが開きます。本体に赤色部分はなく、すべてリアカバーの色です。
こういうところでコスト削減効果がありそうです。(完全なきせかえが可能なのでどちらかと言えば歓迎されると思います)
リアカバーを開けると。。
電池は取り外し可能。Xperia GXやAなどにも採用されているBA900です。グローバルモデルで電池交換ができないXperia Zなどはヘタった時にちょっと難儀しそうですが、こちらは安心ですね。
あと驚いたのがSIMカードサイズ。これ、今どき珍しい通常SIMサイズなんです。最初何も考えずmicroSIMを入れてしまい、取り外しに難儀しましたw 今回はSIMアダプタをかましています。
そして外観の形状です。横から見てみます。
見事なアーク(弓)形状です。また特徴的なのは左右端(実際には上端・下端)の形状。尖ってます。
microUSBがむき出しになっているところから防水モデルではないことも分かりますね。
リアカバーの取り付けはこのように下側の尖ったほうを先にカバーに収めてから上端をパチパチとはめ込んでいくように装着していきます。(逆だとはまらない)
これがエントリーモデルか・・・
続いてソフトウェアと標準機能の確認です。
起動してほほー!と。この画面の感じ久しぶりです。少々の懐かしさも感じました。解像度がarc/acroなどと同じWVGA(854×480)。
アイコンがギュウギュウ詰めなように見えてしまいますが、決して使い勝手が悪いわけではありません。4×4サイズにはこのくらいがちょうどよい。
Xperia Zと並べてみました。アイコンとアイコンの間隔のところやナビバー(ホームボタンのあるところ)の高さやGoogle検索ウィジェットのサイズが若干違うのが分かります。(フォントのサイズ調整し忘れました。Zは小になってます)
ソフトウェアバージョンは15.0.A.1.31です。
各種設定を見ていきます。音設定はとくに変わるところなし。
画面設定では…
あれ?
そう、モバイルブラビアエンジン2が搭載されていないのです。あとホワイトバランス調整機能もありません。
もっと驚いたのがここ。
一度聞いたことのある話で「まさかぁ」と思っていたらまさにそのまさかな「POBox無し」。
仕向地によってPOBox非搭載なんですね。ということで素の状態では日本語が入力できません。シクシク。
Google日本語入力やATOK、Simejiが必要になります。
POBoxを入れるためにはJapaneseIME.apkだけ入れても関連ファイルが必要なためroot化が必要です。(apkだけ入れるとインストールは完了しますが設定画面を開こうとするとコケます)
⇒ POBox 5.4をXperia以外の端末でも動くようにする。(root不要) | TypoTypoTypo!さんにてPOBox未導入なXperiaに導入可能なPOBoxが公開されています。
欧州モデルだともしかしたらPOBox入ってるのかもしれません。(xdaに上がってるのを落ととしてもNG)
内蔵ストレージの状態も確認。おっと、、、4GBですかぁ。。。
昨今のグローバルモデルは日本仕向けモデルに比べると容量が少なく、microSDでその不足分を補ってね、という仕様です。Xperia AX/VLの16GBに対しXperia Vは8GBじゃないかヽ(`Д´)ノと思ってましたが、Xperia Lはそのまた半分の4GB。。。
設定項目に関してはその他機能に差はないです。もちろんSTAMINAモードも健在。
カメラ機能に関してはExmor RS付きの8Mピクセルです。もちろんシャッターボタンもあります。HDRには対応しているもののプレミアムオートはありません。動画撮影しながらシャッターが切れるこちらの機能は健在です。
せっかくなのでベンチマークも取ってみました。(デュアルコアだからそれなりに出るだろうと思いましたが念のため)
スコアは10651。
まとめ
一口にエントリーモデルと聞くと「廉価版」というイメージがありますが、このXperia Lはいい意味で裏切ってくれました。
Xperia arcのスペックアップ版、とでも言えば良いでしょうか。重さはちょっと違いますが、アーク形状でかつデュアルコア、NFCもついてる、カメラもそこそこ良い物、、、といった感じ。解像度はXperia arcと同一ですし、見た目もXperia neoのような奥まったところに画面があるような事もなく、全くストレスなく普通に使うことができます。
逆に付加価値機能が厳選されているからか、小気味よい動作にエントリーモデルであることを忘れてしまうくらいのモデルです。私みたいに高解像度にこだわりがなければ、何ら問題なく快適に使えるモデルだと思います。
発売直後にもかかわらずかなり安価な部類に入るモデルです。ローズ・レッドはかなりオススメです!
Xperia rayにはクリアブラックパネルは載ってますよ。あと、Xperia UはフローティングタッチじゃなくてFloating Prismですね
フローティングタッチはsolaでっせ