※本考察は多くの推察が含まれています。実際にサービスインしてから改めて考察したいと思います。
MVNOがより身近な存在になりそうです。
MVNOは【コラム】教えて!goo「SIM通」主催SIMブロガーイベントに参加してきましたや各種報道において、いわゆる一般層にも「格安SIM」として浸透してきている状況のようです。考察ブログをご覧になられている方は、友達から「格安SIMってさぁ」と相談されたりしてそんな状況を実感されている方も多いかもしれません。
しかし、今はMVNO=「ドコモ回線を用いた格安SIM」という位置付けとして認識されていますが、実はMNO事業者(移動体通信事業者)としてKDDIやソフトバンクでも2009年ころから「MVNO事業を始める方へ」という情報公開はしていましたが、これまで手を挙げる事業者がいなかったのが現状です。
[KDDI]
[ソフトバンク]
ソフトバンクのMVNO事業者向け資料を見る限り、MVNO利用者1回線契約につき(原価ベースで)4,350円/月でありMVNO事業者の利益を乗せるとアアアアアーなコスト感になること、2年縛りがあることなどから、MVNOに積極的ではないことが見て取れます。(しかも資料は2014年版なのに資料上LTEサービスが含まれていないという・・・)
ここにきて関西電力が出資するケイ・オプティコム社よりKDDI回線を用いたMVNOサービスが2014年6月3日より全国に向けて開始されることが発表され、同日、先行予約が開始されました。
今年はMVNO飛躍の年、と言われてきましたが、これまでのMVNO=回線はドコモ網=端末はドコモ販売もしくはSIMフリー、という図式が大きく書き換えられる年になりそうです。
KDDIのMVNOサービス
今年4月16日のSankei Bizにて関西電力系のケイ・オプティコムが今夏に携帯電話事業に参入するとの報道がありました。しかしここにはどこのMNO事業者と契約したのかは書かれていませんでしたが、
翌4月17日にはYOMIURI ONLINEにKDDIのMVNOであることが掲載されました。
そして「mineo(マイネオ)」というサービス名称で5月15日に正式発表。MVNO事業者がケイ・オプティコムということで関西圏のみのサービスと思われがちですが、全国で利用できます。
またデータ通信1GB(1GB超えると200kbps)で980円/月といういわゆる「格安SIM」の仲間入りを果たします。(もちろん音声通話契約もあり、さらにMNPでKDDI端末を利用したままKDDIを卒業もできるのです)
*ただしMNPした場合、ezwebアドレスは使えなくなります。
mineo契約に向けて注意すべき点
いくつか気になった点がありますのでまとめておきます。
[契約解除料]
IIJmioや日本通信などのMVNO事業者ではデータ通信契約に限り、期間の縛りはありません。(音声契約の場合は違約金が発生)
しかしmineoは最低契約期間が12ヶ月と設定されており、期間内の解約には9,500円の契約解除料が発生するため、十分注意が必要です。
[電波仕様]
データ通信契約(シングル契約)はau 4G LTEサービスエリアのみです。3Gでは通信できません。なお、音声契約(デュアル契約)ではau 3Gサービスエリアも「通話のみ」が可能で、データ通信は不可となります。
気になる対応端末
公式サポートされている端末一覧はこちらに記載されているとおりですが、パッと見た感じではau 2013年モデル以降のようですが、要はLTE対応端末です。(SIMフリーiPhone5s/5cはサポート)
では、公式サポートではない端末、SIMロック解除したドコモAndroidやグローバルAndroidはどう考えればいいのでしょうか。答えは「電波仕様」にあります。
そう、mineoのMVNOサービスはCDMA通信方式をサポートするサービスではなく、あくまでKDDIが提供するLTE網(Band1:2.1GHz、Band11:1.5GHz、Band18:800MHz)のみが対象のMVNOサービスと認識しました。
音声通話に関してはKDDIはVoLTEサービスが開始されていない(発表もまだ)ため、端末もCDMA 2000 1x対応端末が必要となります。
SIMロック解除したドコモスマートフォン(Android)やソフトバンクモバイルのSIMロック解除ができるLTE端末2製品(301F、201HW)では端末のLTE対応周波数が複数あってもKDDIのLTE周波数帯にしか繋がりません。
机上で、ですが、au以外のスマートフォンでmineoで契約したSIMを用いたデータ通信を行うとしたらどうなるのかを下記にまとめてみました。
(繰り返しになりますが音声通話は通信方式が違うため、ドコモ、ソフトバンク端末ではSIMロック解除しても使用できません。)
Band | 周波数帯 | サポートキャリア | mineo契約SIMで使えるか? | |||
au端末 | ドコモ端末 | ソフトバンク端末 | ||||
1 | 2100 | NTTドコモ KDDI ソフトバンクモバイル |
◯ | ◯ | ◯ | |
3 | 1800 | NTTドコモ(東名阪バンド) | × | ◯ | × | |
8 | 900 | ソフトバンクモバイル | × | × | ◯ | |
11 | 1500 | KDDI | ◯ | × | × | |
18 | 800 | KDDI | ◯ | × | × | |
19 | 800 | NTTドコモ | × | ◯ | × | |
21 | 1500 | NTTドコモ | × | ◯ | × | |
28 | 700 | NTTドコモ KDDI イー・アクセス |
– | – | – | ドコモ・KDDIは2015年1月予定 イー・アクセスは2015年12月予定 |
掴める電波数 | 3 | 1 | 1 |
実際にサービスが始まっていませんので本当にこうなるのか分かりませんが、机上では以下の表のようになるのではないかと思っています。あ、APNはもちろん公開されて設定できることが前提です。
#KDDI端末にはAPNの設定項目が少々違いCPA設定となっています。(通常は設定>その他設定>モバイルネットワーク>アクセスポイント名から設定しますよね)
グローバルモデルに関しても同じように端末のサポート周波数にBand1、11、18に対応していれば使うことができるはずですが、技適通していない端末でWi-FiやBluetoothを含む無線通信を行うと電波法違反となりますのでご注意ください。
例えば、ドコモでしか発売されないXperia Z2(SO-03F)をmineo契約SIMでau 4G LTE網で快適な通信環境で使いたい!というごく限られたユーザには受けるかもしれませんが、一般的には使用できる周波数が少ないですから、わざわざSIMロック解除してドコモスマートフォンを使ったデータ通信を行うことはメリットがないかな、と思います。
快適にmineoサービスを受けるには
これまで「机上で」まとめてきましたとおり、やはりKDDIから発売されているLTE対応スマートフォンを使うのが一番快適に使えるのではないか、という結論になるかと思います。
これまでKDDIスマートフォンは既にKDDIとの契約があるユーザが、端末を買い換えると高いからヤフオク!などで白ロムを1台目需要として安価に調達する、という流れだったと思います。
同じXperia Z1でもドコモモデルとauモデルでは価格に大きな開きがあったのが、データ通信で980円/月という安価なMVNOサービスが利用できるようになると、価格は少し上昇するのではないか、と思います。
(SOL23)
(SO-01F)
まとめ
KDDIのLTEは私の行動範囲では本当に快適に使えています。MNP最終戦で10年モノのドコモ回線をauへ動かしまして、これまで輻輳で非常に通信速度が遅くブラウザページの遷移に時間がかった場所でも文字通り「サクサク」とブラウジングできることに大変満足しています。
mineoは今なら6ヶ月間無料キャンペーンを行っていますのでとりあえず仮予約を済ませました。(100台限定の端末セットで24ヶ月間、980円/月が無料のキャンペーンは一瞬で終了したのを後で知りました。。。)
ただ、以前のように複数端末を取っ替え引っ替え使うようなこともかなり減りまして、またSOL23(Xperia Z1)も何気に電池持ちも良くて、日中に充電しなくても一日持つようになったりしていて、正式契約するかは迷っています。。。(まだドコモ回線が5回線くらい残ってるw)
個人的には新たにソフトバンクモバイルのMVNOを日本通信が始めるというウワサがあって、メーカー純正カーナビの渋滞情報取得のためにBluetoothのDUNアプリをいろいろ試し、正式サポートしているSB端末(205SH)なんかを購入してXperia Z1からBluetoothテザリングで使えるか試しても失敗(サポートに確認したら自身が通信できないとダメだそうで)してきた経緯があって、しかたなく契約を検討したいと思っていたりもしています。
今年は本格的に格安SIMが更に身近になる年になりそうですね!