XperiaもiPhoneもどちらもグローバル市場で販売しているスマートフォンです。
米IDC社による調査では2014年2Q(4-6月)の世界のスマートフォン市場のシェアはAndroidが84.7%、iOSが11.7%です。しかし、この圧倒的なシェアを誇るAndroid勢のうちSony(Xperia)の占める割合はごくわずか。
Xperiaはこちらの統計(世界でのスマートフォン出荷台数ベース)では5本の指にも入れないOther、つまり「その他大勢」でしかないのです。シクシク。
ソニーが業績の下方修正をせざるを得なくなった原因の一つと説明している中国市場でのシェアが取れなかったこと。これがまさにこの表中のHuaweiやXiaomiといった新興勢力の大躍進を読み誤ったことが大きな敗因のようですが、平井 ソニー社長、確か昨年10月に「世界3位を目指す」と宣言したはず、、、まだ道半ばといった感じなのでしょうか。(確かに◯◯年までに、というコミットではなかったので、もしかしたら「夢」を語ったのか??)
また、日本のスマートフォン市場におけるXperiaはシェアはたった10.6%。AQUOS、実はかなり強いのですね。
67.4%と圧倒的なシェアを誇るiPhone。Apple社との契約で販売ノルマが課せられている(らしい)ため、他のスマートフォンに比べると費用面で大幅に優遇されているためか、世界シェアと比べると正反対なのも日本市場の特性かもしれません。
(出典 2014年第1四半期 国内携帯電話/スマートフォン市場規模を発表|IDC Japan)
さて、このような状況の中iPhone 6 / 6 Plusが発売となり、対するXperiaもXperia Z3 / Z3 Compact / Z3 Tablet Compactというフラッグシップモデルを発表しました。既にグローバル版は発売済ですが、国内版はKDDIからニュースリリースで10月下旬に、ドコモは9/30の新製品発表会で正式発表される見込みです。
さて、この両モデルについて3つの観点で比較するガチンコ対決、どちらが勝つのでしょうか。
※全部を比較すると大変なので、今回はXperia Z3とiPhone 6 Plusの比較とします。(Xperia Z3 Compactと iPhone 6対決は誰かやってくださいw)
比較1:スペック
スペックを比較するにあたり、国内販売(予定)のモデルで比較します。
Xperia Z3 | iPhone 6 Plus | |
サイズ | 72.0 × 146.0 × 7.3 mm | 77.8 ×158.1 × 7.1 mm |
重さ | 152g | 172g |
画面サイズ | 5.2インチ | 5.5インチ |
解像度 | 1,920 x 1,080ピクセル | 1,920 x 1,080ピクセル |
メインメモリ | 3GB | 1GB (非公開) |
内蔵ストレージ | 32GB | 16GB/64GB/128GB |
microSD | ◯ (最大128GB) | × (未対応) |
OS | Android 4.4 | iOS 8 |
SoC | Snapdragon 801 (2.5GHzクアッドコアCPU) |
Apple A8 (1.4GHzデュアルコアCPU) |
電池容量 | 3100mAh | 2915mAh |
待ち受け/ 連続通話 |
790時間(LTE)/ 16時間 |
384時間/ 24時間 |
メインカメラ | 2070万画素 ƒ/2.0 手ぶれ補正 4K対応 |
800万画素 ƒ/2.2 手ぶれ補正 出目金 |
インカメラ | 220万画素 | 120万画素 |
動画撮影 | 4K対応 | フルHD |
オーディオ | Hi-Res Audio対応 DSEE HX対応 *ハイレゾ相当に音質向上 |
-特になし |
VoLTE対応 | ◯ | ◯ |
防水防塵 | IPX5/IPX8、IP6X | × (未対応) |
フルセグ | ◯ | × (未対応) |
FeliCa/NFC | ◯ / ◯ | × / × * iPhoneのNFCは 日本では使えない |
指紋認証 | × (未対応) | ◯ |
ハードウェアスペックとしてはXperia Z3のほうが高く見えますが、実際の動作に大きな差を感じることは(たぶん)できないので、iPhoneのほうが優秀なのかもしれません。これがハードウェアとOS・サービスの垂直統合型であるからこそ成せる技。Androidには到底真似できません。
よってこの対決は「引き分け」としたいと思います。
比較2:機能面
いくつかの視点で比べてみました。
<電子決済>
定期やコンビニの買い物で重宝するFeliCaも実はガラパゴス仕様。
こんな小さなチップですが、グローバル視点でモノ作りをするApple社が日本だけに特別に、なんてことは絶対ないのでこれまでどおりプラスチックカードは必携です。FeliCaが海外でも普及するまで待ちましょう。
<テレビ機能>
テレビ機能、いらないとずっと思ってましたがオリンピックやワールドカップなどの国際大会や不意の災害時には非常に有用な情報収集手段ですので、あるに越したことはありません。そんな時用にradikoアプリを入れる、もしくは外付けチューナを手に入れておくといいかもしれません。
*ご購入にあたっては対応OSを必ずご確認を。(KDDIのチューナーはiPhone6系の記載なしでした)
<防水機能>
Xperiaの「売り」でもあります。防水・防塵機能は日本発祥のニーズで、日本発売モデルはXperia Z以降、標準機能となっています。昨今はグローバル規模でも採用され始めました。*1 ただ、Xperiaの広告イメージでよくプールサイドで使っている映像を見ますが、日本ではホテルのプールくらいしか持ち込めませんし、実質は屋外利用でも天候を気にせず使えることと、「風呂モバ」専用となると思います。
*1 正確にはXperia Activeという小型機がXperia初の防水端末がグローバルモデルとして発売されました。
こんな露天風呂で電子書籍読んで、時折きれいな景色に目をやってのんびり過ごしたいと思いますよ、、貸し切り露天風呂なら・・・
対するiPhoneはまだ防水に対応していませんので、防水ケースは必携です。
<指紋認証>
iPhone 5sから搭載された指紋認証機能、非常に便利なようですね。残念ながらXperiaには搭載されていませんのでその便利さがわからない。。。これはiPhoneユーザが「おサイフケータイの便利さがわからない、カードで十分じゃね?」に通ずる気がしますw
ということで、機能面の比較も「引き分け」にしたいと思いますw
比較3:機構面
ここでいう「機構」とはハードウェア搭載されたカメラやオーディオ機能のことを指します。この2つの機構について比べてみます。
<カメラ>
Xperiaは2070万画素!と云います。どうしても数字が大きいほうが優れていると思われがちですが、大事なのは「画質」というか「画作り」だと個人的には思います。
しかし、HTC J One(HTL22)は画素数という数字を追いかけず400万画素。1つ1つの画素を大きくして画素中の感度を上げ、画質を良くしてるんです!と勝負に出ましたが、残念ながら商業的に成功したとは思えず。
結局HTC J butterfly (HTL23)では画素数は1300万画素になりました。これを見る限り、数字はまだまだ重要なようです。
単純に数字だけを比較すればXperia Z3の圧勝です。しかし上記のようにレンズ性能やソフトウェアのチューニングにより素晴らしい「画」になるのだと思います。
現にiPhone Photography Awardsというフォトコンテストが2008年から開催され、受賞作品はとてもiPhoneで撮影したとは思えないクオリティ高い写真です。単一機種だからこそ成せるコンテストかもしれませんが、それだけよく撮れる(のと絵心あるユーザが多い?)ということで。
<オーディオ>
XperiaもiPhoneも共にマルチメディア系には強い印象があります。しかし企業として大きく違うのは、Xperiaを生んだソニーはプロも使うオーディオ・ビジュアル製品を世に送り出している反面、Appleはあくまでパーソナルコンピュータが発祥であること。
こういう出が違うので単純に比較をするのはナンセンス。XperiaのHi-Res(ハイレゾ)はソニーだからできることで、これまでのオーディオで積み重ねたノウハウを活かし、Xperia Z3では「DSEE HX」」という従来のmp3音源をハイレゾ相当にデータを補完する機能を初めて搭載しました。
音楽を楽しむにはXperiaのほうが良いかもしれません。
よってこの対決は「Xperia Z3」の辛勝としたいと思います。
まとめ
本気で比較!と最初は考えましたが、これまで使用してきたOSのほうが使い勝手も変わらず使い慣れているため、余程のことがない限り乗り換えはしないのかな、と。なので相手をdisるような比較はしませんでした。disるだけが比較ではありませんし。
Xperia Z3もiPhone 6も良い点、次期モデルに考慮して欲しい点が各人あると思います。お互いがお互いのイイところ、悪いところを理解することも重要かな、と。
iOSもだんだんAndroidに近づきつつあるようにも思うこともあります。端末の巨大化も賛否両論です。大きくなってもこれまでとUIが変わらないため単純に拡大表示され「らくらくiPhone」と揶揄されたり、ポケットに入れると曲がってしまうというクレームも。それが他社から茶化されたり
Our phone doesn’t bend, it flexes…on purpose. #bendgate pic.twitter.com/d1DudxDQgf
— LG USA Mobile (@LGUSAMobile) 2014, 9月 24
We don’t bend, we #break. #bendgate #iPhone6plus pic.twitter.com/uippCg4kCi
— KITKAT (@KITKAT) 2014, 9月 24
こんな形でパロディになったり。
ワラタw pic.twitter.com/KN2zUZR1Tl
— ショーグン@考察ブログの中の人 (@nao3shogun) 2014, 9月 25
iOSもバグ対応アップデートのはずが、状態がより醜くなるため早々にアップデートを取り下げ、再度アップデートしても不具合解消してない、など内部のドタバタが想像できたりします。
これから冬にかけて消費が一層伸びる時期になります。Xperia Z3シリーズはシェア拡大させることができるのでしょうか。iPhone 6シリーズはAndroidシェアを奪うことができるのでしょうか。
さまざまな観点でいろいろ楽しみな2製品。これからも要チェックです!