※本考察はXperiaアンバサダーでお借りしたXperia Z4を用いています。
POBoxとは「日本語(文字)入力機能:日本語IME」です。
Xperiaの日本語入力機能(アプリ)といえば「POBox」、POBoxといえば「Xperia」。これは他社には絶対マネのできない組み合わせであり、両者は切っても切れない関係です。
日本語入力はガラケーを含む携帯電話の機能において基本中の基本機能です。それ故『空気のような』存在だからでしょうか、実はあまり注目されていないのです。
そこで【POBox無くしてXperiaに非ず】と言ってしまうくらいPOBox大好きなわたくし、今回POBoxアンバサダーとしてXperia Z4に搭載されたPOBox Plusの素晴らしさと次バージョンへの期待をまとめていきたいと思います。
目次
POBoxの歴史は実は古い
POBoxは株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所が開発している日本語入力ソフトウェアです。(実は上記ロゴもあるのです)
もともとガラケーの日本語入力として2001年頃にリリースされて以来、ソニー系携帯電話・携帯情報端末に搭載されてきました。
XPERIA(SO-01B)にはスマートフォン版「POBox touch」が搭載されて以降、日本向けXperiaには標準で、海外版Xperiaにはハイエンドモデルを中心に搭載されてきました。(海外版のエントリーモデルにはPOBoxが非搭載の製品もあります)
「POBox touch」はXperiaの進化と共にアップデートされ、2.0→3.x→4.x→5.x→6.xとバージョンアップし機能強化が図られてきました。
そしてXperia Z2からは「POBox Plus」と製品名を変更するくらい大規模なアップデートが行われ、現在に至ります。
このPOBox Plus、Xperia Z4でさらに進化しましたが、どんな点が良くなったのか、こんなところを改善してほしいという点をまとめていきたいと思います。
ここがいい!① :英数文字が打ちやすくなった
メールアドレスなどで英字の大文字、小文字+数字といった文字種が混在する入力が非常にラクになりました。
例えばこんなメールアドレス。
ShoGun3_Xperia-Freaks@hogehoge.com
これまでのPOBox Plus(とPOBox touch)では、QWERTYモードにしてから
- ↑で大文字モード「S」
- 「ho」
- ↑で大文字モード「G」
- 「un3」
- 絵文字記号モード「 _ 」
- ↑で大文字モード「X」
- 「peria」
- 絵文字記号モード「 – 」
- ↑で大文字モード「F」
- 「reaks@hogehoge.com」
と10もの手順が必要でした。大文字小文字、さらに記号が混在する文字打ちは正直しんどいですが、Xperia Z4のPOBox Plusにはこのような文字列の場合でも入力が簡単になりました。
QWERTYキーボード、上にフリックすると大文字(と数字)が、よく使われる記号も下へのフリックで入力できるようになりました。
上記のようなメールアドレスも一度も確定させず、一回で入力ができてしまいます。これはいい!!
ただしQWERTYモードだけです。日本語入力(かな)モードは残念ながら記号入力は従来通りです。
ここがいい!②:文字種切替をシンプルに
※本機能はXperia Z3のPOBox Plusでも利用可能です。
標準の文字入力モードは「あ(かな) / A(英数) / 1(数字)」と3種類の入力モードを切り替える方式です。しかし英数モードで数字キーを有効にしている場合、数字(テンキー)モードを利用することは非常に少ないはず。(電話番号のような数字キーをたくさん入力するときは楽ですが)
POBox Plusは「設定」でテンキーモードへの切り替えを非表示にし、でもテンキー入力したいときは一瞬で表示させることができます。
設定方法
設定>言語と入力>POBox Plus>入力アシスト>文字種モードキー
テンキー入力したいときはこのように右フリックすれば一発でテンキーモードになります。
この設定を行うと、文字種の切り替えモードは「かな」と「英数」のみとなりますので文字打ちがより快適になりますね。
このように使い勝手や少々分かりにくかった設定メニューなどが見やすくなった反面、旧バージョンPOBox touchで非常に有用だった機能がなぜか廃止されてしまったり、使い勝手が悪くなってしまった点があります。
今後のバージョンアップでぜひ復活・改善をして頂きたいと思う点を2つ挙げてみます。
ここを改善して!①:オンライン辞書の復活
POBox touchでは「オンライン辞書」というソーシャルIMEが使えましたが、POBox Plusではなぜか機能が廃止されてしまいました。
顔文字入力や人名入力ではかなり有用で重宝していたのですが・・・仕方ないのでユーザ辞書登録してますが、どうしても足らない。。その時にはscimaというソーシャルIMEプラグインアプリを使ったりしていますが、オンライン辞書の使い勝手、語彙量には遠く及びません。
Xperia Z3にPOBox touch 5.4をインストールできる(著作権を無視した)お勝手アプリもありますが、ぜひPOBox Plusで復活して頂きたいと切に願います。
・・・でもソニーモバイル及びソニーコンピュータサイエンス研究所がソーシャルIME提供元ではなく外部サービスを利用していたとすると、契約云々のため、もしかしたら復活は厳しい??
#ここ見ると「非公式クライアント」にPOBoxがある。。。
ここを改善して!②:キーボードサイズ変更
POBox touchではキーボードサイズ変更は「フリー」でしたが、POBox Plusでは「右寄せ・左寄せ」のみとなってしまいました。設定の分かりやすさという点ではPlusのほうが良いのは分かります。
しかしこの「左右寄せ」は本当に画面の左右どちらかにピッタリ寄せられてしまい、QWERTYモードにした時、特に端のキー(左寄せすると1・q・a、右寄せすると0・p・@)が非常に打ちづらいです。母音が押しづらいのは致命的ではないですか?
またどうやれば再現するのかまだ分かってないので③となしませんが、変換候補から選んで確定させると、なぜか同じ確定文字が2回並んで確定されることがあります。タッチパネルの誤判定?でしょうか??
まとめ:日本語IMEってとても大事
日本語入力ソフトウェア(アプリ)に対する不満といえば、1.予測変換の精度が良くない、文節変換が苦手、 2.英数大文字の入力のし易さ、英数字と日本語が混在した入力のしやすさ、 4.誤変換時の修正のしやすさ、顔文字が変換候補に出てこないなどなどあると思います。
ずっと単一機種を使っていると気づかなくても、普段使っているのと別メーカーのタブレットを使ってみたり、携帯ショップなどで他製品のデモ機を使ってみた時、「文字が打ちやすいなぁ」「変換 頭いい~!」と思うことがあると思います。
この日本語入力ソフトウェア(アプリ)、iPhoneでもiOS 8からサードパーティー製のアプリも利用できるようになり、iOS標準のものよりは使い勝手が良くなりましたが、その呼出方法が全然スマートじゃない等々まだまだ及第点が与えられるレベルではないという話も聞きます。
Androidにおける日本語入力IMEは標準アプリ以外にWindowsPCでもおなじみのATOKやGoogle日本語入力といったアプリが利用でき、使い勝手や変換精度の高さをウリにしています。特にATOKは「この道30年」という歴史あるソフトです。
POBoxは有料アプリであるATOKの足元にも及ばないかもしれませんが、「標準搭載」される日本語入力システム(アプリ)としてはこれ以上の使いやすいものはない!と思います。現に他機種用に(違法)カスタムされたPOBoxがネットに出回っているのも、その使いやすさ、高機能さがカスタムユーザに受けているからでしょう。
個人的には有償化してでも正規版POBoxとして販売してほしい反面、Xperiaならではの日本語入力ソフトウェア(アプリ)としてしっかりプロモーションして頂きたい!と思っています。