【コラム】iPhone 7 / 7PlusがFeliCa対応だと?ちょっと待って!そんなにすぐには・・・

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Apple、「iPhone 7/7 Plus」(仮)にソニーのFeliCa採用か

このニュース記事が特にiPhone関連サイトでも話題沸騰のようです。FeliCa=おサイフケータイに対応するのではないか?という記事です。Android(ここではガラスマ)がiPhoneに優れている2つの機能のうちの1つが満たされるわけで、更にiPhoneに流れることになりそうです。(もう一つは防水防塵機能)

felica

でもちょっと待って下さい。FeliCaが搭載されたらすべてのおサイフケータイ機能が使えるか?というと、実はそうではないのです。

わたくし、以前こんな考察をしています。

【コラム】wena wristという腕時計バンド型ウェアラブル端末を買いかけて・・・思い直した。 – XperiaにおけるAndroidアプリ考察

wena wristとはソニーが開発した腕時計のバンド部分にFeliCaを内蔵したもの。お気に入りの時計のケースを使いながら、バンド部分を交換すれば財布を持ち歩くこと無くedyやwaonなどの電子マネーを使ってコンビニ等で買い物ができるのがすごいと思い、一般向け販売が始まった瞬間にポチったわけですが、すぐにキャンセルする事態に。もっとちゃんと調べればよかったのですが・・・

なぜキャンセルしたか?といえば、それは「モバイルSuica」に対応していないから、です。

モバイルSuicaサービスを提供するのはJR東日本です。ここが首を縦に振らないかぎり、FeliCa対応といっても片手落ちだと思います。使わない人にとっては全く問題ないかもしれませんが、首都圏にかぎらず昨今は公共交通機関でも電子マネー払いができますので、モバイルSuica非対応では・・・

このようにいくらインフラが対応したとしても、最終的にはインフラ事業者がOKを出さないとサービスが始まらない、そして元国営の巨大企業ですから、検証に要す時間が半端ないのです。特に新規参入するメーカー・モデルに関しては信じられないくらい時間がかかります。

一例としてソニー初のSIMフリーXperiaとなった「Xperia J1 Compact」を例に、どれだけ対応に時間がかかるかを考えてみます。

Xperia J1 compactは2015年4月20日に発売されました。べースは2014年6月から販売したドコモXperia A2(SO-04F)ほぼそのままです。もちろんFeliCa対応。しかし、当初はモバイルSuicaに対応していませんでした。まだかまだかと思っていて、そんなこともすっかり忘れていた2015年12月14日にようやくおサイフケータイアプリの更新を伴い、モバイルSuicaに対応しました。(このタイミングでXperia以外にシャープの『AQUOS SH-M02』、『AQUOS SH-RM02』、『SH-M02-EVA20』、富士通の『arrows M02』、『arrows RM02』も対応した)

モバイルSuicaが利用できるまで、Xperia J1 Compactの発売からなんと34週間という非常に長い期間がかかりました。JR東日本としてもSIMフリーという新しい(リスクある)機器に対して様々な視点での検証をするのに時間を要した、と肯定的に受け止めたとしても、新iPhoneはAndroid SIMフリー端末以上にサービス提供事業者として、ものすごいリスクあるわけです。

それを短期間で対応するとは到底思えず、ニーズあるのはJR東日本もわかっているはずで、そうなれば余計に慎重に検証を重ねるのは容易に想像できます。こればかりはいくらApple社がなんとかして!と「頭を下げてお願いする」立場になるのはちょっとほくそ笑んでしまいます(笑)

 

 

承認を素早くするための施策

Apple社もただ承認されるのに指を咥えてみているだけではありませんでした。昨年夏にNFC Forumに参加し、Googleやソニーとようやく肩を並べ、電子決済サービスは「共存」の道を選択したのはある意味画期的なことだと思います。そして、今年5月にJR東日本がNFC Forum加入、モバイルSuicaのグローバル化に向けて最初の一歩を踏み出したこともiPhoneへのFeliCa搭載を意識したことだと思います。

米AppleがNFC Forumに加入、14社目のスポンサー会員に  

そんな動きがある中で、今年7月に第11回 NFC Forum ジャパン・ミーティングが開催され、キーノートスピーチにおいてJR東日本 IT・Suica事業本部の担当部長が、「公共交通におけるNFC規格のハーモナイゼーションについて」という内容で講演しました。

その中でもこれまでのガラケー+読取機(JR東日本のみ)の試験は、端末数が多くなったこと、交通系電子マネーの種類が増えたことで、この互換性について3つの検定試験を実施しているという現状の説明もあったようです。ほかにもモバイルSuicaのグローバル展開等々にも触れた内容もありましたがここでは割愛。

グローバル携帯でのモバイルSuica利用についに道筋が。将来のiPhoneでも利用可能に?(モバイル決済最前線 鈴木淳也) – Engadget Japanese

 

要はただでさえ検証に時間が掛かる状況があって、更にサービス提供事業者からすると初物OSであるiOS対応をするということは、非常に時間を要すであろうことが容易に想像できるため、たとえiPhone 7/7PlusがFeliCa対応したとしても、いきなりモバイルSuicaに対応するか?はわからない、が、これまでの経緯として検証時間が多大にかかることが想定され、販売開始時にはモバイルSuicaには「非対応」である可能性が高いのではないか?と思っています。

 

新型iPhoneは9月7日(日本時間8日未明)に発表されるようです。Xperianなわたしですが、この発表には注目したいと思います。

合わせてXperiaに限らずグローバルモデルに搭載されているNFCにFeliCa機能が搭載されればもうキャリア端末なんて買わなくて良くなるので、そちらの面でも今後のNFC Forumの動きにも注目していきたいところです。

 

4件のコメント


  1. […] つい先日こんな考察をしましたが、いい意味で期待を裏切られました。 […]


  2. これっててっきり HCE-Fの話だと思ったんですが、違うんですかね


  3. auの子会社であるuqモバイルに出資してる会社かJR東日本なので、今回のiphoneのfelica対応はauの働きが大きいようです。モバイルsuicaありきのfelica対応かと思います。


  4. 今回のリークはJR東日本関係者から徐々に漏れ始めているようなので交通系に対応する可能性が高いのでは、というお話では。JR東日本が何やら働きかけているようですし。