※本考察はこれまでにまとめてきたものを再構成したものです。
仕事終わりに駅まで歩きすがらに同僚から質問を受けまして、ちょうどいいタイミングと内容だったものですから、改めてまとめてみたいと思います。
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話はこんな感じで始まりました。
考察ブログ読者ならよく相談される内容だと思いますけども。
ここで同僚Aさんのプロファイルを簡単に。
XPERIA X10をボロボロのなるまで使い、さすがに使えないアプリが出てきたり容量不足を感じて確か2013年にXperia A(SO-04E)に2年の分割支払いで更新。以来とても重宝しているようです、彼なりに。
奥さん・同僚Aの家族も家族割を組んでいて、奥さんとはLINE・家族とは通話もよくするようです。データ通信はたまに7GBをほぼフルに使うこともあるけれど、(たぶん)3GBでも足りる感じだと思います。(モバイルルータを支給されていないため出先でノートPC使うときにテザリングしているらしい)
そんな彼に対してこんな会話を続けました。
たぶんこの時点で彼の戦意は完全に喪失したと思いましたが、更に追い打ちをかけるような話もしておきましたよw
更に追い打ちをw
ここで彼とは別のルートで帰るのでお別れ。
念のため、以下にポイントをまとめておきます。
MVNOのいいトコ悪いトコ
通話を伴うMVNOを利用する場合に関し、1)契約に関すること、 2)通話に関すること、 3)データ通信に関することについてまとめます。
契約関連
- 契約更新月でMNPをしないと契約キャリアに「契約解除料」(10,260円)を支払う必要がある。
(契約して25ヶ月目の1日-月までの間。2年前に契約した「当月」ではないことに注意)
. - もし契約解除料を支払ってもいい!と思っても、現在利用中の端末分割金の残債は残ります。ただし、これまで適用されていた「割引」が無くなり、端末代金÷24ヶ月の分割金がまるまる請求されます。(これまで通りの残期間で分割払いも可)
. - 今使っているスマートフォンを利用することを想定していると思いますが、その端末が少々くたびれてきたとしても、それを使い続ける必要があります。壊れたら実費での修理となります。
なので、25ヶ月の契約満了まで使用したスマートフォンを継続利用するのは少々厳しいかもしれません。
通話・メールに関すること
- 家族割を受けていた場合、その通話料は「無料」でしたが、MVNO各社はすべて従量制となります。家族間であっても有料となります。LINEやSkypeで問題ない、IP電話使うなどの代替案を利用し続けられるのならば、この限りではありません。
. - キャリア契約のまま機種変更する場合、これまでのプランとは違い通話定額プランが標準化しつつあり、通話も割と使うならば継続してドコモやauなどのキャリアサービスを使い続けるのも選択肢として考えてもよいでしょう。
. - キャリアメールアドレスが使えなくなります。メールする相手にガラケーがいる場合、迷惑メール対策のため、標準ではキャリアメールアドレス以外から届くメールはブロックされます。個別に許可する設定が必要です。
データ通信に関すること
- これまでのキャリア契約では3GB・7GBが契約の単位でした。MVNOは費用を安くするために基本使用データ量が1GB/2GBと絞られています。(もちろん追加費用を支払えば高速通信を使い続けられますが、それだとMVNOサービスを使うメリットが薄れる)
. テザリングができなくなります。(ドコモスマートフォンの場合)
⇒ 【MVNO】非rootなドコモ端末をMVNO SIMでテザリングを可能にする方法(中級者向け)で対応できます。※PC利用します。ちょっと難しいかもしれません。ドコモの特別仕様で、テザリングを利用するとき、内部的に接続先(APN)を変更する仕様のため、ドコモ系MVNOサービスと契約したSIMカードでテザリングする場合も、ドコモのテザリング専用アクセスポイントに繋ごうとするため、エラーとなってしまいます。
.- キャリアよりも速度が落ちる場合もあります。
これはMVNO各社が使用する設備にもよりますが、少なくとも回線速度(品質)は全く同等ではないようです。
まとめ
これまでMVNOいいじゃない!というトーンの考察をしてきましたが、実際同僚と会話してみて「ハッ」と気づきました。まだまだ一般層がメインで使う携帯電話サービスとしてはまだまだ敷居が高いな、と。
2年の満了を待たずMNPするときに端末分割金や契約解除料は「つきもの」ではありますが、せっかく安いプランが充実しているMVNOに行ったとしても、旧キャリアへの分割金支払いが残るなら、移行するメリットは無くなってしまいます。
諸手を挙げてMVNOに行こう!という状況ではないこと、ハッキリ理解できました。そしてソニーモバイルが、VAIOがこれらMVNOに参入するのは、こうした不安を少しでも払拭することができるかもしれませんが、「家族割」相当のサービスが無いと、乗り換えは厳しいかな、というのが正直なところでしょうか。