海外版Xperia Z4が発表となりました。モデル名は「Xperia Z3+」です。
https://www.youtube.com/watch?v=pPe7cTlPKrE
スペックは全く同一です。(もちろん海外版なのでガラスマ機能:FeliCa・フルセグは未搭載、また対応周波数も国内モデルとは異なりますが)
これ、日本では「Xperia Z4」ですが海外版は「Xperia Z3+」なのです。これまでは国内モデルと海外モデルで別名称だったことは過去にもXperia NX / Xperia S、Xperia GX / Xperia TX、Xperia AX・VL / Xperia Vなどありますが、全く別の名称を使っていました。
またZシリーズではXperia Z1以降モデルバージョン制を取っていて、Xperia Z1 f / Xperia Z1 Compactというように同一世代だな、と分かる扱いだったのに、今回の命名はXperiaをよく知らない人からすれば、全くの別モデルのようにも見えてしまうと思います。
なぜこのような命名をしたのか?について各所でも書かれていますが、個人的な考えをまとめてみたいと思います。
メディアの取材記事から分かった表向きの理由
ITmedia Mobileがソニーモバイル広報部に確認したところによると、
「市場のニーズに合わせて最適なものをお届けするため、(製品名についても)通信キャリアと話し合っている。その結果、日本では最新のイノベーションを積んだものをお届けするため、Xperia Z4という名称にした。海外ではXperia Z3が堅調に売れており、Z3の新たなプレミアム版として、Z3+を出させていただいた」
というコメントがあったとのこと。
非常にもっともらしい「模範解答」だな、と思いましたよ、ええ。
周りに聞いてみた(プラス Twitterでの反応は)
以下、Twitterでの反応です。
とにかく何でも新型新型と矢継ぎ早な投入をしないと売れないと錯誤してる日本の商習慣が異常なのでは? : 「Xperia Z4」はなぜ海外では「Xperia Z3+」なのか? – ITmedia Mobile http://t.co/yJvbR4JuOR
— (,,゚д゚)ウマー (@pianist_danna) 2015, 5月 31
なんじゃそりゃ。 / “「Xperia Z4」はなぜ海外では「Xperia Z3+」なのか? – ITmedia Mobile” http://t.co/BrdgLwzcwA
— K.K (@kk_clubm) 2015, 6月 1
やっぱり日本はキャリアさんの意向だったんですねえ。 – 「Xperia Z4」はなぜ海外では「Xperia Z3+」なのか? – ITmedia Mobile http://t.co/IePSd73AwQ
— Takashi Kawai (@yrik) 2015, 6月 1
「なんじゃこりゃ」大方の反応はまさにこれでしょう。
また、私の友人や知り合いにも聞いてみましたが、名前なんてどうでもいいみたいな意見ばかりでした。どちらかといえば「新しいXperia」というだけで良いみたいですね。
それよりも「いくらなの?(他の新製品に比べて)」という意見のほうが大多数を占めました。
先日のアンケートからも「一括で購入するのは経済的に厳しいから分割じゃないと」という意見も非常に多かったですし、新しいXperiaが出るならば、モデルが古くてもそんなにスペックが劣らないけど安くなる旧モデル(Xperia Z3)を買うよ、と。
Xperia Z4は短命?か??
キャリアは「大量に在庫してるXperia Z3を売っ払おう!多少安くしても毎月の通信料と大量オプションを付けて回収すればいいから」とか思ってないですかね?そしてXperia A / Galaxy S4の更新はXperia A4でしのげばいいでしょ?と。
キャリアは当然、次モデルに関する情報も提供されているはずで、大きく変わることが予想される次期「Brand New」 Xperiaまでの『繋ぎ』であることを承知のうえでXperia Z4は『少量仕入れ→即販売終了』という流れになるのではないか?と疑いの目で見てしまいます。
かつて「Xperia GX」や「Xperia Z」、「Xperia Z2」が短命だったのと同じ轍を踏んでいるんじゃないかな、と。いずれのモデルも発売後半年以内に海外で新Xperiaが発表、後日国内販売開始となっています。
- Xperia GX発売:2012年8月10日→ 生産(販売)終了:2012年10月31日 = 存命日数 83日
- Xperia Z発売:2013年2月9日→ 生産(販売)終了:2013年5月31日 = 存命日数 111日
- Xperia Z2発売 :2014年5月21日→ 生産(販売)終了:2014年8月末? =存命日数 102日
全くの新しいデザインコンセプトであるXperia Z(SO-02E)ですらたった4ヶ月しか販売しなかったのは、その後にXperia Z1の登場が控えていたから。
この時期、ちょうどソニー・エリクソンからソニーモバイルコミュニケーションズ(以下 ソニーモバイル)への移行期であり、Xperia Zはソニー・エリクソンによる開発で、販売開始時期はソニーモバイルでしたが、Xperia Z1はソニーモバイルとなってから開発したモデルです。
今回は会社こそ同じですが社長が鈴木氏→十時(ととき)新社長へ、それに伴い開発計画や販売戦略も大きく変化する時なのかな、と。そう考えるとXperia Z4の発表会で「Xperia Zシリーズの完成形」の強調 → 鈴木元社長が取り組んだZシリーズから十時モデル(次期Brand New Xperia)にシフトするんだ!という意気込みの現れなのかもしれません。
そんな中で最大顧客である国内キャリアの意向を最大限尊重し、本来はマイナーチェンジモデルでありながら命名のみ「3→4」として目新しさを強調せざるを得なかったんじゃないかと。
決して「やる気なしモデル」とは言えない
Xperia Z4はCPUもこれまでのクアッドコア(4コア)からオクタコア(8コア)化を果たし、さらにフロントカメラ強化、ワイヤレス音楽再生の強化など新機能も搭載しています。
マイナーチェンジモデルでここまでの進化はかつてないものです。
これまで海外版Xperiaでは、例えばXperia arc(LT15i/a)のマイナーチェンジ版としてXperia arc S(LT18i/a)というSoCとカラーバリエーションが違うだけという軽微なアップデートでした。(この他Xperia neo → Xperia neo Vもありました。)なおXperia Z1Sは当初は発売されなかった北米向けに後日追加されたモデルで、SoCやROM容量に変更ありませんので厳密にはマイナーチェンジではないと考えます)
それを考えると、社長交代がなければ海外版も正常進化モデルとして「Xperia Z4」を名乗っていたのではないか?とも邪推してしまいます。だってタブレットは「Xperia Z4 Tablet」なのにそれより発表・発売が遅いスマートフォンが「Xperia Z3+」なんてあり得ないですよね。。。
国内キャリアの意向もあったでしょうが、個人的には社内政治の問題(十時社長になってからZシリーズを新発売したくない)、十時(ととき)新体制下で開発した完全なる新モデル=Brand New Xperiaをセンセーショナルに発表したいんじゃないかな、と。
十時モデルは2016年1月のCESもしくは2月のMWCで発表されることでしょう。それまではZ4/ Z3+で乗りきれると思いますし、個人的にはLDAC:Bluetooth高音質再生を非常に楽しみにしています。(auユーザなので個人的にも初のVoLTEも楽しみ)